記事内に広告が含まれています。

スペイン産の豚肉の安全性は?過去のとんでもないスキャンダルとは?

その食品、安全性は?

最近、近所のドラッグストアに
お肉のコーナーができました。

中でも、目を引くのが、
「スペイン産の豚肉の細切れ」!

100g当たり60円程度と
国産と比べて、かなりの安さです。

安いお肉・・・安全性とか大丈夫なのかな?
と、ちょっと気になりませんか?

今回は、
スペイン産豚肉の安全性」について、
取り上げます。

スポンサーリンク

スペイン産豚肉、安全性におおむね問題はなさそう!?

今回の結論は、
スペイン産の豚肉の安全性には、おおむね問題なさそう
です。

個人的には、
夕食のおかずに取り入れていってもよいと思っています。

ただし、
残念ながら、懸念点がないわけではありません。

今回は、
以下の流れで、
スペイン産の豚肉の安全性について、
まとめていきたいと思います。

1.スペイン産豚肉が安全だと言える理由
2.スペイン産豚肉の懸念点

スペイン産の豚肉が安全だと言える4つの理由

スペイン産の豚肉、ホルモン剤の心配はない!?

さて、
「食肉の安全性」について、
気になるのは、
「ホルモン剤が使われているかどうか」
というところでしょうか。

「ホルモン剤」の使用については、
国によって、規制が分かれているところですので、
お肉を買う時には、
少し産地を気にしてみる必要があります。

では、
気になる「スペイン産は?」というと、

「スペイン産の豚肉」には、
「ホルモン剤」の心配は、なさそうです。

というのも、
EUでは、
ホルモン剤の使用が禁止されています。

さらには、
EUでは、ホルモン剤が使用された食肉を輸入することすら
禁止されているのです。

ですので、
オーストラリアは、
ヨーロッパに食肉を輸出していますが、
輸出できるお肉は、
ホルモン剤が使わずに育てた肉だけということになります。

以上のように、
ヨーロッパのホルモン剤に対する規制は、
かなり徹底されています。

スペイン産の豚肉には、
ホルモン剤の心配はないと言えるでしょう。

スペイン産豚肉、ラクトパミンの心配もない!?

さて、
ホルモン剤と同様に
家畜を効率的に育てるために使われる薬剤があります。

β作動薬と呼ばれる「ラクトパミン」です。

ラクトパミンも、
ホルモン剤と同様に、
健康影響が心配されています。

そのため、
ラクトパミンについても、
EUでは、使用が禁止されています。

扱いについては、
ホルモン剤と同様ですので、
スペイン産の豚肉については、
ラクトパミンの心配もないと言えるでしょう。

スペイン産の豚肉、抗生物質の使用量は適正!?

さて、次は、
「抗生物質の使用量」の観点から見ていきましょう。

2020年の各国の抗生物質の使用量のデータでは、
スペインは、
家畜1kg当たり、
79mgの抗生物質が使われています。
(参考:Antibiotic usage in livestock, 2020

日本の63mgと近い値ですね。

スペイン日本
家畜1kg当たりの
抗生物質使用量
79mg63mg
家畜1kg当たりの抗生物質使用量(スペインvs日本)

周辺のヨーロッパ諸国と比べると、
スペインは、少々使用量が多めであるようにもうかがえます。

ただし、
抗生物質の使用量の目標が
「50mg」であることを考えれば、
目標は達成できていないものの、
取り立てて、高すぎる数値ではないようにも思えます。

もし、
抗生物質の使用量が多い場合、
以下のようなリスクが生じることになります。

抗生物質が多く使われた場合の懸念:
 ・耐性菌の発生のリスク
 ・抗生物質の残存のリスク

抗生物質の使用量のデータに鑑みるに、
スペイン産の豚肉については、
抗生物質の悪影響の懸念は小さいと言えそうです。

スペイン産の豚の成育環境は、良好!?

スペイン産の豚肉の生育環境についても、
確認しておきましょう。

参考にするのは、
「Animal Protection Index」です。
(参考:Animal Protection Index

「Animal Protection Index」では、
世界各国の「動物保護に関するスコア」が
「A~G」でランキング分けされています。

それでは、
スペインと日本の「Protecting animals used in farming(農業に使われる動物の保護)」について、
比べてみましょう。

スペイン日本
Protecting animals used in farmingDG
Animal Protection Index(スペインVS日本)

スペインの豚の保護に関するコメントによれば、
EUが定めた動物福祉規定に、従って行われているとされています。

豚たちに苦しみやストレスを与えないように、
禁止されている事項がいろいろとあるようです。

その一方、
日本の豚の飼育に関するコメントはと言えば、
「豚の飼育に特化した政策や法律は存在しません。」と
あっさりと一言書かれているだけです。

これが、
「評価:D」と「評価:G」の大きな差だということでしょう。

日本国産の鶏や豚たちが、
少し可愛そうにも思えてきますね。

しかし、スーパーの国産豚肉を、
私は、十分においしいと感じています。

おそらく、法律なんかで縛られていなくても、
日本国内の畜産業者のみなさん方が、
しっかりと、豚たちを育ててくれているだろうと
楽観的に解釈しておくことにします。

少し話がそれましたね。

スペイン産の豚肉は、
しっかりとEUが定めたレベルに
従って、豚たちの管理をしているため、
ある程度、高い品質が保たれていると考えてよいはずです。

スペインの食品の安全指数は、ある程度高い!?

2022年の
Global Food Security Index(国際食料安全指数)を確認してみましょう。
(参考:Global Food Security Index 2022

Global Food Security Indexとは、
イギリスのメディア企業である『エコノミスト』により、
作成されている、各国の「食品安全に関する指標」です。

スペインと日本のスコアを比較してみましょう。

スペインと日本は、
おおむね同等のスコアとなっていますが、
特筆すべきは、
「Food safety mechanisms(食品安全の仕組み)」のスコアでしょうか。

スペイン日本世界平均
Food safety mechanisms
(スコア)
80.0/100100/10068.7/100
Global Food Security Index(スペインvs日本)

スペインのスコアは、
日本と比べると、
「少し低いかも・・・」という気もしますが、
世界の平均スコアは、68.7/100です。

世界的に見れば、
スペインの「Food safety mechanisms」は
十分に高いと言えそうです。

「Food safety mechanism」は、
食品安全について、
「法律」や「ガイドライン」、「検査能力」が、
どれだけ整っているかを数値化したスコアです。

ただ、先進国であるにも関わらず、100点満点ではない理由は、
少し気になるところではありますね。

しかし、
スペインの食品安全は、
日本と同等とまでは言えないものの、
世界的に見れば、高いレベルにある
と考えて差し支えないと言えるでしょう。

スペイン産の豚肉、日本国内でも輸入検査がしっかりされている

「スペイン産の豚肉」を
日本に輸入する際にも
日本側で変な品質の食品を輸入しないように
輸入検査ないしは、審査」がきちんと行われています。

ですので、
安全性については、際立って心配するようなことは
ないと考えられます。

ただ、
スペインからの輸入品については、
豚肉の品目によっては、厚労省から、
「食肉製品内にリステリア菌等が見つかる」などの事例も
報告されています。

これは、輸入検査が
きちんと機能していることの裏付けになるかと思います。

食肉の細菌管理は
難しいでしょうし、
細菌によっては、
運送中に増殖することもないとも、言い切れません。

出荷から、消費までのタイムラグがあることは、
輸入食品のリスクの一つであると思います。

食肉に含まれる細菌のリスクについては、
お料理をされる際に、
しっかり加熱をするということで、
ある程度、回避できるかと思います。

ただし、もちろん、
国産の豚肉にも細菌はひそんでいるものなので、
輸入肉だから、特別に加熱が必要だということではありません。

また、もちろん、厚労省によって、
「スペインから、食品を輸入を行うことに問題がないか」
についても、事前に調査が行われています。
その結果が、下記のリンクです。

・輸出国事前調査について(スペイン)
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/13spain.pdf

安全確保の対策などについても、
詳細に記載されています。

内容を読めば、
かなり安心できるのではないでしょうか。

スペイン産の豚肉の懸念点

スペイン産の豚肉、実は過去にスキャンダルがある!?

2018年の出来事になりますが、
スペインの豚肉には、
とあるスキャンダルが取り沙汰されました。
(参考:The Spanish meat scandal making waves in Britain is no isolated incident

食肉業界大手のエル・ポゾに肉を提供している、
農場の風景が撮影されたのです。

そこには、
苦しんでいる動物たちの姿が映っていました。

約900頭の豚を飼育する農場の至るところで、
・感染した膿瘍の豚
・巨大なヘルニアに苦しむ多数の豚
・重度の奇形を患う数頭の豚
・ハエや幼虫に覆われた滲出性潰瘍を患う豚
などが撮影されたと記されています。

平たく言えば、
動物虐待が行われていたということです。

ちなみに
農場の経営者は、
刑事裁判にかけられることになりました。

事件が表沙汰になり、
しっかりと、経営者が裁かれていることから、
これが、スペインでの一般的な豚たちの飼育環境だとは言えないでしょう。

しかし、
スペインの畜産業の文化の中に、
そういった事件が起きる可能性がある土壌があることについては、
我々、消費者からすれば、要注意かもしれません。

輸入肉の中に
病気の豚が、混ざっているかもしれないと考えると、
少し、注意した方が良さそうだという考えにも至りますよね。

スペイン産豚肉を食べた感想

ここからは、
スペイン産の豚肉を食べた感想です。

まずいと言われる輸入豚肉ですが、
とりあえず変なところがないか
食べてみました。

軽く「野菜炒め」にして食べてみました。

肉は硬くて、
パサパサしており、
なんだかおいしくなかったです。

原因として思い当たったのが、
・火の通し過ぎ
・解凍が不十分
くらいでしたので、
今度はよく解凍して、
「冷しゃぶ」にしてみました。

でも、やっぱり、
硬くて、ぱさぱさしています。
冷しゃぶならある程度おいしく頂けました。。。

その後、何度かリピートしてみましたが、
かなり品質にバラつきがある印象です。
パサパサの時もあれば、おいしく頂けるときもあります。

どうやら、スペイン産の豚肉そのもの全てが
まずいというわけではないようです。

変な臭み等もありません。

豚肉のパサパサの正体

パサパサ感は料理方法ではどうにもならないことから、
どうやら、パサパサの正体は、
いわゆる「冷凍焼け」が原因ではないかと考えられます。

冷凍している間に、中の水分が
飛んで行ってパサパサになってしまうというやつですね。
確かに開封時から、
やたら肉汁が染み出しています。

場合によっては、黒っぽく変色してしまうこともあるようです。
「油の酸化」が原因で腐ってるわけではないです。
(黒っぽいのは安くてもさすがに買いたくはないですが。。。)

一般的に豚肉はスペインから、輸入する際、
冷凍されて、日本に運ばれてきます。
(最近は、冷凍せずに0度のチルド状態で輸送する方法もあるようですが)

運輸期間は分かりませんが、
この間に、環境管理がうまくいっておらず、
「冷凍焼け」が起きて、
品質が落ちてしまっているというのが
私の推測です。
(安いのでそのあたりは仕方ないですね)

おそらく、そういったアウトレット的な商品を
ドラッグストアが安く
仕入れなおして売っているのだと思います。

そして、残念ながら、冷凍焼けを起こした食品は
元に戻すことはできないようです。

どうやら、スペイン産豚肉自体が
おいしくないわけではないようですが、
ドラッグストアなどでお肉を手に取る際は、
少し冷凍焼けというのも、気にしながら
商品を選んでもよいかと思います。

結局、スペイン産の豚肉の安全性は?

今回は、
「スペイン産の豚肉の安全性」
について取り上げました。

スペイン豚肉が安全だと言える理由としては、
下記の4つが挙げられました。

・スペイン産の豚肉にはホルモン剤は使われていない
・スペイン産の豚肉にはラクトパミンは使われていない
・スペインの食品の安全指数は、十分に高い
・日本国内でも、輸入検査(審査)が行われている

スペイン豚肉の懸念点としては、以下が挙げられました。

・スペイン産の豚肉には動物虐待のスキャンダルがあった

どうやら、
「ホルモン剤」や「ラクトパミン」の心配もなく、
スペイン産の豚肉には、
特別、安全性への懸念はないように考えられます。

「抗生物質の使用量」についても、
改善傾向にあるようで、
現在の使用量は、日本と同程度と言えるでしょう。

一方で、
スペイン産の豚肉には、
過去に動物虐待のスキャンダルがありました。

これは、
スペインの畜産業の品質に対する大きな懸念点の一つだと
言えるでしょう。

今や、食品選びは、
自己責任の時代です。

そんな世の中で、
「スペイン産の豚肉の安全性」について、
疑問を持ち、調査に踏み出されたあなたは、
かなり賢い部類に入る方だとお見受けします。

ぜひとも、
当ブログの他の記事で勉強を
していっていただけるとうれしいです。