今回は、
映画『ダウンサイズ』のレビューです。
映画『ダウンサイズ』はつまらない!?
本作の感想を一言で表すならば、
「全体的に惜しい仕上がりの作品」です。
主演がマット・デイモンさんということで、
期待はしていましたが、
残念ながら、いまいち満足できる出来ではありませんでした。
本作は、興行的な評価も芳しくなく、
興行収入5,500万ドルに対して、
制作費が6,800万ドルと「制作費割れ」の結果となっています。
映画『ダウンサイズ』のココがつまらない!?
凝った世界観は、後半の説教の”フリ”だった!?
本作の見所は、
その「凝った世界観」です。
アメリカの所得中間層の人々に対して、
最近、流行りの”FIRE”の近道を提供するという、
「こんなの本当にあったらいいな」を映像化しているところが、
本作の一番の良さです。
本作の物語前半は、
その「凝った世界観」を一挙に展開し、
その世界観に引き込まれます。
しかし、物語後半からは、
雰囲気が一変します。
急に格差問題について、説教が始まったのかと思いました。
その「これじゃない感」がものすごいのです。
中盤からのコメディからヒューマンドラマへの急な転換が、
作品をつまらなくしているように感じます。
始終、コメディ映画に傾倒していただければ、
本作は、かなり万人受けしたはずだと思えています。
結局、テーマが”散漫”に感じる!?
結局、本作のつまらなさの根源は、
「何がしたかったのかが、よくわからなかったこと」でしょうか。
「環境問題」に端を発して、物語が始まったかと思えば、
途中からは、
”ダウンサイジング、もう関係なくない?”
とツッコんでしまうような
「ヒューマンドラマ」に舞台が移っていきます。
テーマの移り変わりを「散漫」に感じました。
残念ながら、
「休日の大事な時間を割いて観る映画」として、
忙しい友人たちにおすすめできる作品とは言えません。
映画『ダウンサイズ』は駄作なのか!?
いろいろと書いてきましたが、
私は、本作をただの駄作だとは思っていません。
現に途中で視聴をやめることなく、
きちんと最後まで観られました。
本作には、つまらないながらも、
不思議と目を離せない魅力が感じられるからだと思います。
得てして、世の中の価値観は
変わっていくものです。
作品によっては、公開された当時は、
「面白い」と感じなくても、
何年か後に「時代が追いつく」と
とてつもなく面白く、感じるものもあります。
ちなみに、
本作のように、社会風刺の効いた作品がお求めであれば、
映画『プラットフォーム』などがおすすめです。
映画『ダウンサイズ』の作品情報
映画『ダウンサイズ』の基本情報
- 製作国:アメリカ
- 原題:Downsizing
- 配給:東和ピクチャーズ
- 劇場公開日:2018年3月2日
- 上映時間:135分
- 監督:アレキサンダー・ペイン
映画『ダウンサイズ』のキャスト
- ポール・サフラネック:マット・デイモン
- オードリー・サフラネック:クリステン・ウィグ
- ドゥシャン・ミルコヴィッチ:クリストフ・ヴァルツ
- ノク・ラン・トラン:ホン・チャウ
- ヨリス・コンラッド:ウド・キア
- デイヴ・ジョンソン:ジェイソン・サダイキス
- ジョフ・ロノフスキ:ニール・パトリック・ハリス
- ローラ・ロノフスキ:ローラ・ダーン