今回は、
映画『TIME/タイム』のレビューです。
映画『TIME/タイム』 は面白い!?
本作の感想を一言で表すと、
「改めてきちんと観ると、設定がかなり面白い」です。
本作は、2012年の公開当初、
映画館でも視聴しました。
その時は、「ふーん、まぁまぁかな」くらいの
感想しかなかったのですが、
改めて観ると、
また違った感想がありますね。
設定がとても面白いと感じました。
映画『TIME/タイム』 のココが面白い!?
公開時よりも、格差社会が深刻に!?
実は、私は、
本作を、公開から10年以上経った今こそ、
観るべき一作だと思いました。
本作の最も面白いところは、
「お金=寿命(残された時間)」
という構図をド直球に表現しているところです。
労働者の時間は、セカセカと進み、
資本家の時間は、ゆったりと流れます。
気づいている人は気づいていると思いますが、
リアルの社会でも、度合いの違いはあれ、
まったく同じことが起きているのです。
つまり、本作の世界は、
リアルの世界の格差社会が、
”風刺的に”描かれているだけなのです。
”風刺的な作品”というのは、
「取り上げている問題の深刻さ」が「作品の面白さ」に直結します。
では、
本作が取り上げている問題は、何でしょうか?
やはり、「資本主義社会の格差問題」でしょう。
格差問題を心配する声は、
本作の公開当初である2012年に比べれば、
確実に大きくなっています。
コロナ禍が、
我々の社会の格差を、
かつてないほどに大きくしてしまったからです。
そして、
コロナ禍でダメージを受けた現在の世の中は、
本作の公開当初の世の中よりも、
映画の中の世界と重なる部分が多くなってしまいました。
10年ぶりに本作を鑑賞し、
そんなところが、とても面白く感じました。
ただ、
そんな第三者的な感想を持てるのも、
まだまだ自身がギリギリ生活に困らない安全圏に
踏みとどまっているからなのかもしれません。
今の世の中が、
一歩間違えれば、生きるのすら、大変な世の中になってしまったことを
とても悲しく思います。
”本当にあったらいいのにな”が描かれている!?
私が、SF映画を観る時に、
何よりも楽しみにしているのは、
「本当にあったらいいのにな」が、そこに描かれているかどうかです。
本作の
「お金があれば、永遠に生きられる世界」は、
とても魅力的でした。
そこには、
間違いなく、「本当にあったらいいのにな」が、
描かれていたと思います。
しかし、
同時に、とても残酷なことが気づかされたとも思っています。
映画の中では、「お金=時間」として描かれていますが、
リアルの世界においては、
「時間は、お金よりも、大切なもの」なのです。
残念ながら、
リアルの世界では、
お金をたくさん持っていても、
映画のように永遠に生きることは叶いません。
限りある人生、
会社や仕事に大事な時間を奪われることなく、
自分らしく自分の人生を生きていきたいものだと、
本作は、改めて、痛感させてくれた作品でもあります。