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ファストフードはやっぱり体に悪いの?体内に起こる意外な変化とは

その食品、安全性は?

マクドナルドやケンタッキー、
ファストフードっておいしいですよね。

しかし、
なんとなく体に悪そうな
ファストフード。

今回は、
比較的新しい研究分野である
腸内微生物叢」の観点から
ファストフードは体に悪いの?
について、見ていきたいと思います。

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今回の参考文献:『歪められた食の常識』

今回の参考文献は、

ティム・スペクター(2021)
『歪められた食の常識―食品について聞かされた事のほぼすべてが間違っているわけ』.
白揚社

です。

著者のティム・スペクター氏は、
腸内微生物叢の専門家であり、
双子研究の世界的権威ともいわれております。

腸内微生物叢とは

まずは、
腸内微生物叢(ちょうないびせいぶつそう)
ってなんなの?
というところから見ていきましょう。

あなたの腸の中には、
どんな微生物がいるでしょうか?

「大腸菌」?

だけではないのです。

なんと、
あなたの腸内には、おおよそ
100兆個の細菌や真菌、寄生虫と
50兆個のウイルスが
住んでいるのです!

そのすべてを集めると、
約1.5kgにもなると言われています。
脳みそと同じくらいの重さです。

すごい量ですね。

近年では、
この微生物の集まりである
腸内微生物叢」を
人間の「新たな臓器」とする
考え方もあるのです。

腸内微生物叢のはたらき

そんな腸内微生物たちは、
毎日の活動によって、
何百種類もの物質を生成する

と言われています。

具体的には、
腸内微生物たちは、
ビタミン
気分や食欲を高める脳内物質などを
作り出してくれます。

これらの物質は
私たちの体に直接的に
影響を与えることになります。

つまり、
「腸内微生物叢を健康に保つこと」は、
「わたしたちの健康を保つこと」にも
つながるといっても過言ではないわけですね。

そして、
腸内微生物叢の構成や
そこから作られる物質は、
個人差が大きく、
一卵性双生児のふたごの間でも
異なると言われているのです。

おもしろい話ですよね。
研究のしがいがありそうです。

ファストフードを食べていると腸内微生物叢は・・・

さて、なんとなく、
腸内微生物叢の大切さが、
わかっていただけていればうれしいです。

では、
ファストフードを食べていると、
この「腸内微生物叢」は
どんな影響を受けるのでしょうか。

本書の著者は、
10日間ファストフードを食べ続けるという
実験をおこなってみたそうです。

その結果、
腸内微生物叢に住んでいた
微生物の40%が姿を消してしまったのです。

そして、その後、
腸内微生物の量や多様性が元に戻るまで
数年がかかった
とされています。

ファストフードのような超加工食品のほとんどは、
「トウモロコシ、小麦、大豆、肉」という
4つの材料で構成されています。

ですので、
著者の考察としては、
食物繊維をえさとしていた
微生物たちが一掃されてしまったのではないか?
とされています。

類似の研究は、
フランスでもおこなわれています。

ジャンクフードばかり食べて
野菜の少ない生活をしていると、
腸内微生物の多様性がとぼしくなり、
複数の疾患リスクが高まる
ことが
確認されているのです。

簡単で、おいしい加工食品だけでなく、
野菜や果物もしっかり食べましょう!
というわけですね。

さいごに

今回は、
「腸内微生物叢」の観点から
「ファストフードは体に悪いの?」
ということを見てきました。

ファストフードばかりを食べていると、
あなたの腸内微生物の多様性は
失われてしまいます。

そして、それは、
複数の疾患リスクを高めるということまで
わかっているのです。

さすがに、
ファストフードばかり食べているという人も
多くはないと思いますが、
食べすぎには注意した方がよさそうですね。

あなたも
「新しい臓器」である
「腸内微生物叢」を
少し意識して
野菜や果物を食べることを
心がけてみてはいかがでしょうか。