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日本人には別ルール?「牛肉は体に悪い」に関する真実とは

その食品、安全性は?

WHOいわく、
みなさんの大好きな
「牛肉」には発がん性があるそうです。

さらに、言えば
ハムやソーセージに至っては、
タバコと同じ危険レベルなんだとか。

さてさて、
これを聞いて、ただちに
お肉を食べるのをやめようとしている人、いませんか?

そろそろ情報に振り回されるのはやめましょう。

今回は、WHOの
牛肉が体に悪い
という話については、
反対のデータもあるのだということを
見ていこうと思います。

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今回の参考文献

今回の参考文献は、

Jung Eun Lee, Dale F McLerran, Betsy Rolland, Yu Chen, Eric J Grant, Rajesh Vedanthan, Manami Inoue, Shoichiro Tsugane, Yu-Tang Gao, Ichiro Tsuji, Masako Kakizaki, Habibul Ahsan, Yoon-Ok Ahn, Wen-Harn Pan, Kotaro Ozasa, Keun-Young Yoo, Shizuka Sasazuki, Gong Yang, Takashi Watanabe, Yumi Sugawara, Faruque Parvez, Dong-Hyun Kim, Shao-Yuan Chuang, Waka Ohishi, Sue K Park, Ziding Feng, Mark Thornquist, Paolo Boffetta, Wei Zheng, Daehee Kang, John Potter, and Rashmi Sinha(2013),
Meat intake and cause-specific mortality: a pooled analysis of Asian prospective cohort studies.
Am J Clin Nutr., 98(4): 1032–1041.
/https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3778858/

です。

お肉の消費」と「死亡率」について、
アジア人」に焦点を当てた研究です。

確かに
アメリカ人やヨーロッパ人については、
特に赤身の肉(牛肉)を食べれば、
死亡率が上がるとされています。

しかし、
まったく食文化の違うアジア人にも
同じことがいえるのか?
という研究報告になります。

実は「お肉は体に悪い」とは言いきれない(アジア人にとっては)

まず、
結論から見ていきましょう。

アジア人に関して言えば、
「肉の消費量」と「死亡率」の間に
関連性は認められなかった。

とされています。

むしろ、
死亡原因によっては、
逆相関があるという結果にすら、
なっています。

「逆相関がある」ということは、
「体にいい」と、
解釈することもできると思います。

なんだか
聞いていた話と違いますね。

くわしく見ていきましょう。

アメリカ人に比べて、アジア人の肉の消費量は少ない

まず、
アジア人は、
アメリカ人に比べ、
圧倒的に肉の消費量が少ないです。

確かに、
アジア人も年々少しずつ
お肉の消費量を増やしています。

それでも、
日本人は、アメリカ人の
半分以下の量のお肉しか食べていません。
(2007年のデータになりますが。)

2007年の
日本人とアメリカ人の
各肉の消費量を比べてみると、

牛肉については、1/4、
豚肉については、2/3、
鶏肉については、1/5程度です。
(日本人/アメリカ人)

ただし、
魚」については、
日本人は、アメリカ人の
約3倍の量を食べています。

日本人はシーフードを
たくさん食べているわけですね。

こういった食文化の違いが
背景には、あるのです。

アジア人は赤身肉の摂取で死亡率が下がる

結果を素直に読み解いていきます。

まず、
「体に悪い」とされる
赤身肉(牛肉)を見てみましょう。

アジア人の
男性については、
赤身肉の摂取によって、
心血管疾患の死亡率が
有意に下がっています。

女性についても見てみると、
赤身肉の摂取によって、
ガンによる死亡率が
有意に下がっています。

アジア人が食べる程度の「少量」の
赤身肉ならば、
栄養学的には「食べるメリット」の方が
大きいということでしょうか。

鶏肉の摂取でも死亡率が下がる

鶏肉についても、
有意な死亡率の低下が
認められています。

男性および女性において、
すべて原因による死亡率が
有意に低下しています。

白身の肉の
「体にいい」という評判は
再現されていますね。

ちなみに
残念ながら、
豚肉のデータはないようです。

さいごに

今回は、
日本人にとっては、
牛肉は体に悪い
とは言い切れないということについて、
見てきました。

本文献のデータを見る限り、
少なくとも、あえて、
日本人は、
牛肉を食べる量を減らす必要は
ないのではないか?

と、私は感じました。

といっても、
近年、日本人の食事も
欧米化していることは
否めません。

一つの目安として、
一週間に「牛肉」を700g以上
食べている方は、
アメリカ人に近づいているので
少し注意した方がいいかもしれませんね。