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自動運転の実用化は無理では?2030年に車を持たない未来は来るの?

楽しかったモノ・コト

完全自動運転の実用化』。

これが実現すれば、
私たちの生活は
大きく変わります。

新しい世界を
今か今かと、待っている方も
いることでしょう。

しかし、
実用化にいたるまでには、
大きな課題があるようです。

今回は、
完全自動運転の実用化への課題
について、
取り上げたいと思います。

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2030年、私たちは車を持たなくてよくなる?

まず、
自動運転の実用化に関する計画」を
見てみましょう。

「経済産業省」と「国土交通省」は、
自動走行ビジネス検討会」なるものを
つくっています。

現在、最新の
2022年4月の検討会の内容を見てみると・・・

2025年度に
「無人自動運転移動サービス」を
40か所で実現
します。

同じ時期に、
「高速道路」では
レベル4の自動運転が解禁されるようですね。

トラックも
「隊列運転」をはじめるそうです。

2025年度に
かなり山場感がありますね。


そして、
2030年度には、
「無人自動運転移動サービス」が
本格的に普及されます。

タクシー業界に激震が走りそうな話ですね。

「無人自動運転移動サービス」が
本格的に普及すれば、
移動にかかるコストが
大幅に安くなることが予想されます。

つまり、
早ければ2031年以降には、
地方に住んでいる私も
車を持たなくても、
よくなる時代が来るかもしれません。

これは、
車の買い替え時期を
慎重に選ぶ必要がありそうです。

公共交通機関が発達している
都心や地方都市の方には
少し感動がうすい話かもしれませんね。

自動運転、本当に計画通りに行くの?

しかし、
そんなにうまく計画通りにいくのでしょうか?

自動運転は、
レベル1~5の
5段階に分かれています。

2022年現在、
実用化されているのは、
レベル2」までですね。

しかし、
基本的に運転中は、
ハンドルから手を離してはいけないので、
その恩恵にあずかることもほとんどありません。

自動化レベルは
「レベル3」から実現の難易度が
飛躍的に高くなります。

まさにパラダイムシフトです。

いろいろと調べていると、
「本当に完全自動運転は実現できるの?」
と少し不安になります。

実際のところ、
「レベル5」の完全自動運転など
可能なのでしょうか。

完全自動運転の実現までの課題

では、
完全自動運転の実用化が
どれだけむずかしいのか
見ていきましょう。

車が道路を「認識」できるのか?

「完全自動運転」では、
車が自分で道路を「認識」します。

そのために必要なのは、
高性能な「カメラ」と「レーダー」です。

「カメラ」で、
道路の情報を抽出し、
「レーダー」で、
障害物を検知するわけです。

「カメラ」と「レーダー」を使って、
車が道路の状況を
「100%の確度」で
「認識」できるようになる・・・

そこで、はじめて、
「完全自動運転」が可能になる
ということです。

そして、
この「100%の確度」というのが
なかなかむずかしいのです。


たとえば、
ある冬の寒い日、
雪が降っていたとしましょう。

道路には、
雪が積もってしまいました。

道路の境界線は、
雪で隠れて、よく見えません。

さぁ、この状況で、
自動運転車は
正しく道路を「認識」し、
走行できるのでしょうか?

ちょっとむずかしそうですよね。

「100%の確度」をどうやって証明する?

では、仮に
「自動運転車」が
何かしらの方法で、
「100%の確度」で、
道路を「認識」できるようになったとしましょう。

その「100%の確度」は
どうやって証明すればいいのでしょうか?

未完全のものを公道で
走らせるわけにはいかないので、
誰もが納得するデータが必要ですよね。

その方法の一つとしては、
「ひたすら走行実験をして
 事故が起きないのを証明する」
というものがあります。

アメリカで「ウェイモ」なんかが
すでにおこなっていますね。

2018年時点で、
1000万マイル以上の
自動走行実験をおこなったと
発表されています。

しかし、
いったい何マイル走れば、
「100%の確度」で
道路を「認識」したことを証明できるのでしょう。

社会に新しいモノを
受け入れさせるのは本当に大変です。


一つの目安として、
「とあるデータ」が参考になります。

IATA(国際航空輸送協会)は、
2000年から2009年までに起きた
「10億マイル当たりの交通事故率」を
発表しています。

これによると、
「10億マイルを走った場合の事故率」は、
 「自動車」で7.31
 「バス」で0.11
となっています。

仮に、「ウェイモ」が
10億マイルの自動走行実験を終えたとしましょう。

その時点で、
自動走行実験で起きた事故が、
「バス」と同等の事故率であれば、
「安全は保障された!」
と言えるかもしれませんね。

しかし、そうなると、
自動走行実験が終わるのは、
いったい
いつになるのかわかりません。

どうする?トロッコ問題

さて、
いろいろな課題をクリアし、
「完全自動運転車は使えそうだ!」
となったとしましょう。

そこで、
問題になるのが、
「トロッコ問題」です。

最後は、技術ではなく、
倫理的な問題というわけですね。


仮に、
「自動運転車」が
時速100kmで走っているとします。

「自動運転車」といえど、
時速100kmでは
急には止まれません。

そんな時、
道路の左と右から、同時に
「子ども」と「高齢者」が
ひょっこり飛び出してきました。

うまくハンドルを切っても
どちらかにぶつかってしまいそうです。

さぁ、
AIは「子ども」と「高齢者」の
どちらの方向に
ハンドルを切るべきでしょうか?


これはむずかしい問題ですね・・・。

えっ?「高齢者」の方向ですか?

いえいえ、そんなことを
言ってはいけません。

そんなプログラムを組んだら、
その「高齢者」の家族からは
恨まれて、訴訟を起こされるかもしれません。

まあ、
家族がいない「高齢者」なら、いいの?
という話でもありませんが・・・(笑)

では
「子ども」の方なら、どうでしょう。

反射神経もいいし、
生き残る確率が高い
と考えることもできます。

しかし、
あえて、「子ども」の方向に
ハンドルを切るAIって、
なんだか怖いですよね。

かといって、
何もプログラムされていなければ
「子ども」と「高齢者」の
両方にぶつかってしまいます。

簡単には答えは出そうにないですね。

こういった厄介な問題は、
いざとなれば、
国民が知らないうちに、
国会でしれっと変な法案が
通ってしまったりしそうですが。。。

さいごに

今回は、
完全自動運転の実用化への課題」を
みてきました。

完全自動運転を実現するためには、
多くの課題があるようです。

今回、
取り上げた課題だけでも、
「解決できるの?」
と少し疑ってしまいます。

完全自動運転が
実用化されれば、
我々の生活は、
ものすごく便利になるでしょう。

早く実現してほしいですね。

しかし、
これから、AIの活用が進めば、
人類が「トロッコ問題」のような
倫理的な問題に直面することも
増えていくと思います。

小学生が
「道徳」の時間に習うような内容です。

しかし、
大人たちだって、
はっきりとした答えを
持っているわけではありません。

人類が
自動運転の「トロッコ問題」に対して
どのような答えを出してしまうのか。

少し怖いような気もしますね。


さて、
ほかにも世界を変えるような技術
興味はありませんか?

よければ、↓のほかの記事にも
目を通してみてくださいね。

今回の参考文献

今回の参考文献は、

古川 修(2022).
『自動運転の技術開発―その歴史と実用化への方向性』.
グランプリ出版.

です。

自動運転の
研究開発にたずさわった方の本です。

なかなか読み応えはあります。