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内分泌かく乱物質って何なの?とにかくわかりやすく解説してみた

その食品、安全性は?

さて、当サイトでは、
内分泌かく乱物質」について、
取り上げることが増えてきました。

しかし、ただ、
「危ないよ!危ないよ」
というだけで、

具体的に内分泌かく乱物質って何なの?
という話には、なんだかんだで
ふれられていないように思いました。

また、私の信念は、
「誰が見てもわかりやすい」を創り出すことです。

最近の記事、ちょっとむずかしいですよね・・・

というわけで、今回は、
内分泌かく乱物質って何なの?
というところにできるだけ、
わかりやすく、ふれていきたいと思います。

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そもそも、「内分泌かく乱」って何なの?

内分泌かく乱」・・・

まず、その言葉がむずかしい!

むずかしいモノには、
基本的には関わりたくないのです・・・

というわけで、
言葉を切り分けながら、
できるだけ簡単に見ていきましょう!

まず、「内分泌」って?

まず、わからないのは、
内分泌」ですよね。

内分泌系」は、
私たちの体の中で、
ホルモン」を作り出して送り出す場所のことを指します。

では、
ホルモンって何?」というと
「私たちの体の機能を調節するために情報を伝えるモノ」
ということになります。

女性ホルモンや男性ホルモン、
甲状腺ホルモンや成長ホルモンなんかは
よく名前を聞きますね。


わかりやすい例として、
「女性ホルモン」の働き方を
くわしくみてみましょう。

「女性ホルモン」は、
主に「卵巣」というところで作られますね。

そして、
作られた「女性ホルモン」は、
血液なんかに乗って運ばれて、
「乳房」などに送られます。

「乳房」には、
「ホルモン」を受け取るための
ホルモン受容体」というものがあります。

「乳房」の「ホルモン受容体」が、
「女性ホルモン」を受け取ることで、
「体を女性っぽくするために、乳房を大きくしよう!」
という指令が伝えられるわけです。

ちなみに、
このような女性ホルモンの働きを
専門家っぽくいうと、
エストロゲン活性
と言います。

なんとなく、
イメージはわいてきましたかね?

というわけで
重要な点となるのは、

・「ホルモン」が「ホルモン受容体」を受け取る。
・「ホルモン」は、体の機能を調節するための情報を伝える。

といったところでしょうか。

とりあえず、

「ホルモンの働きは、重要!」

ということですね。

では、「内分泌かく乱」とは?

さて、ここまでの話で、

・「内分泌」という言葉
・「ホルモン」がどんな風に働くか

といったところが
なんとなくわかってきましたね。

では、
「内分泌」がわかったところで、
内分泌かく乱」を見ていきましょう。

「かく乱」は、
漢字で書くと「撹乱」または「攪乱」です。

環境省が「内分泌かく乱」と記しているので、
それに従っています。

意味としては、
「邪魔をして乱すこと」です。

つまり、
「内分泌かく乱」とは、
「ホルモンの働き」を「邪魔して乱すこと」です。

もちろん、問題は、
乳房が大きくなるとか、大きくならないとか言う
話だけにはとどまりませんよ!

今度は、
少し耳なじみのない
甲状腺ホルモン」を例にとってみましょう。

甲状腺ホルモン」は、
体の中のたくさんの部位の調節にかかわっています。

中でも、大切なのは、
脳みその発達」です。

「脳みその発達」が途中のときに、
「甲状腺ホルモン」の働きが「邪魔をされて乱された」としたら・・・

少し怖い話になってきましたね。

あなたもご存じの通り、
脳みそは体の中でも、
一番大事な場所といっても過言ではありません。

その、一番大事な場所が、
うまく発達できなければ・・・

・ADHD
・自閉症
・IQの低下

などが発生する
リスクが高くなってしまうということになります。

現に、そういう研究報告も
出てきているので、
「危ないよ!危ないよ!」
と、さわいでいる次第なわけですね。

「内分泌かく乱」の怖さが
なんとなく、伝わっていればうれしいです。

というわけで
重要な点となるのは、

・「内分泌かく乱」は、「ホルモンの働きを邪魔して乱すこと」を指す
・「甲状腺ホルモン」が乱されると、「脳の発達」も邪魔される

といったところでしょうか。

それで、「内分泌かく乱物質」って?

ここまでの内容で、
「内分泌」が「かく乱」されることの
怖さがなんとなく伝わっていればうれしいです。

では、
内分泌かく乱物質」がどんなモノかについて
見ていきましょう。

まず、
「内分泌かく乱物質」を言葉通りに読み解くと、
「私たちの体内のホルモンの働きを邪魔して乱す物質」
ということになります。

「おいおい、どこにそんな危ない物質があるんだよ!」

という話になりますよね。

それがあるんです。
しかも、身の周りに、ものすごい数・・・

確かに、
自然界には、
それほど多くはありません。

しかし、
人間が創り出してしまったんですね・・・
危ないとは知らずに・・・

人間が、生活を楽にしようと思って
創った便利なもの達には、
こんな副作用があったのです。

それが、
プラスチックであり、可塑剤であり、
殺虫剤であり、その他もろもろの化学物質である
というわけです。

これらの物質が、
人間の体に入り込むことが、
「ホルモンの働きを邪魔して乱すこと」
につながるわけです。

「内分泌かく乱物質」はどんな風に働くの?

さて、では、
「内分泌かく乱物質」は、どのようにして、
「ホルモンの働きを邪魔して乱す」のでしょうか?

私たちの体の中の「ホルモン」は、
結局のところ、「複雑な形をした化学物質」です。

しかし、
その「複雑な形をした化学物質」は、
体内でしか、作れないのでしょうか?

いえいえ、
そんなことはありません。

工場で作られるプラスチックなんかも
十分に「複雑な形をした化学物質」です。

では、
「工場で作られた複雑な形をした化学物質」が、
なんだかんだあって、
私たちの体の中にまぎれ込んだとしたら、
どうなるでしょう?

「ホルモン受容体」は、
「工場で作られた複雑な形をした化学物質」を
少し形が似ているというだけで、
仲良しの「ホルモン」くんだと
勘違いして結びついてしまいます。

そして、
私たちの体は、
「工場で作られた複雑な形をした化学物質」と結びついた
「ホルモン受容体」を見て、とある勘違いします。

「あれ?ホルモンを作った覚えがないのに、
 ホルモン受容体と、何かがもうくっついてるじゃん?なんで?」

という感じでしょうか。

そうすると、
私たちの体は、体内で作るホルモンの量を
うまくコントロールできなくなると思いませんか?

もちろん、
人体は、そんなに単純ではないので、
「内分泌かく乱物質」の中には、
もう少し複雑な作用の仕方をするものもあります。

しかし、
基本的に「内分泌かく乱物質」は、
「工場で作られた複雑な形の化学物質」を
「体内の化学物質(ホルモン)」と
勘違いすることによって作用します。

少しは、
説得力、ありますかね?

アメリカなんかでは、
「化学的に合成した女性ホルモン」を注射して、
牛肉を早く育てているという話を考えれば、
あながち疑わしい話でもないですよね。

そして、牛の話ではなく、
人間の女の子が過剰に
女性ホルモンにさらされれば、
思春期の時期が早まるなどという問題も
起こってしまうわけですね。


というわけで、
重要な点としては、

・私たちの体は、化学的な構造が似ていると
 「ホルモン」と「工場で作られた化学物質」を勘違いしてしまう

ということでしょうか。

内分泌かく乱物質の人体への影響は?

ここまでの内容で
「内分泌かく乱物質」がどのようなモノなのか
というところについては、
イメージがわいてきたかと思います。

では、現代の研究でわかっている
「内分泌かく乱物質」は、
人体にどんな影響を与えるのかというところを
見ておきましょう。

「内分泌かく乱物質」は、
とりあえず、「ホルモン受容体」が、
存在しているところに影響を与えそう、
ということについては、なんとなく想像できますよね。

ただし、
人間の体で、人体実験をするわけにはいかないので、
こういった研究は、なかなか簡単には進みません。

そんな中ではありますが、
徐々に解明されつつある
「内分泌かく乱物質の人体への影響」
を挙げておこうと思います。

「内分泌かく乱物質」について、
大きく分けて、
人の健康にかかわる3つの機構に対する影響は
かなりつかめているようです。

3つの機構というのは、

〇脳・神経系
〇代謝
〇生殖機能

です。

「内分泌かく乱物質」と「脳・神経系」

「脳・神経系」については、
先ほど取り上げた

・ADHD
・自閉症
・IQの低下

などとの関連が指摘されています。

子どもたちには、特に注意が必要です。

もちろん、お腹の中にお子さんがいる
妊婦さんも例外ではありません。

「内分泌かく乱物質」と「代謝」

「代謝」については、

・肥満
・2型糖尿病

などとの関係が指摘されています。

「甲状腺ホルモン」は、
さまざまな体の機能の調節に関係していますが、
「代謝」についても、その一つです。

アメリカで、
肥満の方が増えているというニュースの原因の一つは、
「内分泌かく乱物質」の影響であるという指摘をする
専門家もいます。

食生活がジャンクフードぎみになっていることも
もちろん、原因の一つかと思いますが。

「内分泌かく乱物質」と「生殖機能」

「生殖機能」については、

・乳がん
・精巣がん
・不妊
・子宮内膜症
・精子数の減少

などとの関連が指摘されています。

「女性ホルモン」や「男性ホルモン」が
活性化しすぎたり、活性化が邪魔されたりといったことが
体に悪い影響を与えるということですね。

ちなみに、
「内分泌かく乱物質(環境ホルモン)」が、
注目され始めたのは、
「オスの魚や鳥が、メスに変わった」などという話から
だったかと思います。

つまるところ、
最初に「内分泌かく乱物質」が注目を集めたのは、
「生殖機能への影響」ということなります。

確かにインパクトのある怖い話ですよね。

もしかしたら、
近年の男子たちの草食化も
「内分泌かく乱物質」と
無関係ではないかもしれませんね。

内分泌かく乱物質は、ほんの少しでも危ない!?

そして、さらに
「内分泌かく乱物質の最も厄介な点」を
紹介しておきます。

それは、
少ない量でも私たちの体に悪い影響を与える
という点です。


まずは、例えとして、
普通の毒性物質である
「アルコール」を例にとって考えてみましょう。

最近出てきた「微アルコール飲料」と「ストロング缶」では、
どちらが、二日酔いになりやすいでしょうか?

言うまでもなく、
アルコール9%の「ストロング缶」ですよね。

当たり前の話です。

「毒は、量によって決まる」

これは、
従来の毒性学」の基本です。

少し豆知識ですが、
16世紀のスイスの化学者「パラケルスス」が
「毒性学の父」と呼ばれています。

この方は、
「鋼の錬金術師」のエドとアルの父親である・
「ヴァン・ホーエンハイム」のモデルになった人物です。


少し話がそれましたが、
「内分泌かく乱物質」には、
この「従来の毒性学」の考え方が通用しない
という
研究報告があるのです。


従来の毒性学の考え方が通用しない」とは、

「多くの量にふれる⇒強い毒性」ではなく、
「少ない量にふれる⇒強い毒性」になる。

ということを意味します。

不思議ですね。
にわかには、信じがたいです。

一説によると、
体内の「ホルモン」の量というのは、
そこまで、大量にあるものではありませんよね。

それでも、
人間の体の機能は、調節されています。

つまり、「ホルモン」は、
少ない量でも作用するものであるというわけです。

なので、
「内分泌かく乱物質」についても、
少ない量であるほど、
私たちの体は、「内分泌かく乱物質」を「ホルモン」と
勘違いしやすくなるのではないか?
と考えられているのです。

そう言われてしまうと、
おかしな話ではないのかな・・・
という気もしてきますよね。

というわけで、
「内分泌かく乱物質」については、

・この量までなら、大丈夫!
・大した量じゃないから、心配ない!

などという考え方は
危険だというわけです。

残念ながら、
「内分泌かく乱物質の人体への影響」については、
はっきり言って、まだ研究の途上です。

ですので、
「政府のいうことを聞いておけば、間違いない!」
という話にはならないわけですね。

なぜなら、
政府は、いろいろな研究データが出尽くした末に
やっと、ゆっくりと腰を上げるものだからです。

「内分泌かく乱物質」から身を守るには

さて、最後に
「内分泌かく乱物質」から身を守るには、
どうすればいいのか、
見ておきましょう。

結局、我々一人一人にできることは、

・「内分泌かく乱物質」を可能な限り避けること
・「内分泌かく乱物質」に対して、化学的に証明された栄養を摂ること

くらいだと思います。

しかし、
これだけでは不十分だと思います。

現代社会にあふれた
「内分泌かく乱物質」のすべてを
避けることなど、はっきり言って不可能です。

雨の日に、
降ってくる雨粒をすべて
かわしながら、歩くようなものです。

では、どうすべきでしょうか。

私は、一人一人が
知識をつけることが
最も重要だと思っています。

消費者である私たち一人一人が、
少しずつ「内分泌かく乱物質」を避ける消費行動をとりはじめ、
もし、それが、多数派になった暁には、
企業の意識も変わってくるのではないかと思うのです。

なぜなら、
企業は、売れるモノを売るだけです。

現在は、
誰もが「内分泌かく乱物質」に対する意識が薄いため、
とりあえず、安いだけの商品が先に売れていきます。

安さこそが、正義なんです。

しかし、もし、
「内分泌かく乱物質の不使用」こそが
正義に入れ代わったとしたらどうでしょう。

スーパーや百貨店からは、
たちまち、1000円や2000円のフライパンが
姿を消していくと思います。

つまり、
一人一人の意識が変わることで、
世界は変えられるということですね。

すごくむずかしいことだとは思いますが。。。

まず、はじめの一歩として、
良かったら、
当サイトの他の記事もあさってみて
頂ければありがたいです。