というような内容の記事を
ネットで見かけます。
記事を読んでみると、
「障害手当金」を請求しづらくなる
内容です。
しかし、
この内容、
「嘘」ではありませんが、
実は、完全に
「本当」とも言い切れません。
さて、
どういうことでしょう。
「障害手当金」の請求には、
本当に「落とし穴」があるのでしょうか?
本記事は、
間違った情報で
「障害手当金は請求しない方がいい」
と勘違いしている人のために
書かせていただきます。
「障害手当金」は、いわば「障害年金4級」
まず、
「障害手当金」について、
確認しておきましょう。
「傷病手当金」ではありません。
まったく違うものですので、
ご注意くださいませ。
「障害手当金」は、
ケガや病気で、
「障害年金3級」よりも、
症状の軽い障害が残ってしまった方が
もらえるお金のことです。
いわば、
「障害年金4級」ですが、
年金のように毎月もらえるわけではなく、
一回ぽっきりの一時金です。
もらえる金額は、2022年現在、
1,166,800円以上と、かなりの高額です。
もし、
ご自身があてはまるなら、
ぜひ、もらっておきたい額ですよね。
しかし、
ネットには、
この「障害手当金」には、
「落とし穴」があるという記事もあります。
今回は
この「障害手当金の落とし穴」について、
社労士の先生に確認をおこないました。
「障害手当金の落とし穴」とは何か
冒頭の記事にあるような、
「障害手当金の落とし穴」。
これは、
一体、何を指すのでしょうか。
ざっくり言うと、
「障害手当金」を
一度もらったら、
後で症状がひどくなっても、
「障害年金」は、
もうもらえませんよ!
という少し怖い話です。
たとえば、仮に、
病気で「片耳」が
聞こえなくなってしまったとしましょう。
生活に困り、
ここで、
「障害手当金」を受給するとします。
しかし、さらに、
病気が進行し、
「両耳」ともに
聞こえなくなってしまいました。
すでに
「障害手当金」をもらってしまったので、
「障害年金」は、もうもらえません・・・
というわけです。
そんなひどい話ってあるんでしょうか。
いえいえ、
さすがにそんなひどい話はありません。
確かに
この「障害年金の落とし穴」は、
「嘘」ではありませんが、
「本当」でもないのです。
私は、この記事が
ムダに不安をあおる
少し悪い記事だと思っています。
障害手当金を返還すれば、障害年金を受給できる
確かに、
「障害手当金」を受給してしまうと、
「障害年金」を受給できなくなります。
しかし、
それで、「一貫の終わり」ではありません。
受給した「障害手当金」を
返還してしまえば、
何の問題もないのです。
ですので、
実質、「障害手当金の落とし穴」など
存在しないとも言えます。
私が確認をとった社労士さんも、
「ネットでウワサになっていますよね・・・」
と少しあきれていました。
本件については、
他の社労士さんも言及されていますし、
厚労省からも正式に回答がなされているようです。
さらには、
私が確認した社労士さんによると、
「障害手当金」の返還については、
「時効は2年」であるとのことです。
そのため、
重症化が
2年後以降であれば、
「障害手当金」の返還も不要になるとのことです。
ただ、
「障害手当金」の返還の時効については、
私の方で、法的な根拠を
見つけることができませんでした。
心配な方は、
社労士さんに確認してみてもいいかもしれません。
さいごに―障害手当金にデメリットはない?
さて、
今回は、
「障害手当金の落とし穴」について、
調査をおこないました。
私の調査の結果では、
「障害手当金の落とし穴」など
存在しないという結論となりました。
ただし、
「障害年金」や「障害手当金」は、
障害で困っている方々が受け取るべき
お金です。
ですので、
なんとなく、
「困ってないけど、申請してみようかな?」
というスタンスで
請求されるのは、
確かに、倫理的によくないともいえます。
そういった方々をけん制するために、
「障害手当金の落とし穴」という
記事が書かれたのかもしれませんね。
しかし、私は
障害で本当に困っている方を
さらに、不安にさせるような記事を
世に出すのは、いかがなものかと思います。
というわけで、
障害が原因で、経済的に困っている方は、
「障害手当金の支給」を心配して
年金の請求を取りやめる必要はありません。
そういった意味では、
「障害手当金」に
デメリットなどないのです。
もし、重症化したら、
「障害手当金」を返還して、
「障害年金」を申請しなおしましょう。