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ドラマ『The 8 Show~極限のマネーショー~』はココが面白い!社会風刺作品の最高峰!?

映画・ドラマレビュー

今回は、
ネットフリックスオリジナルドラマの
『The 8 Show ~極限のマネーショー~』をレビューしていきます。

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『The 8 Show~極限のマネーショー~』は面白い?

本作の感想を一言で表せば、
とても高品質な社会風刺作品』です。

とても見ごたえのある面白い作品でした!

ただし、
えぐみの強い表現に抵抗がある方には、
本作は、おすすめできません。

テーマがテーマだけに、
共感力が強い人にとっては、
見ていて、いたたまれなくなる部分も、
多いからです。

そこまで、やったらやばいんじゃ・・・
と何度思わされたことか・・・。

あくまで、
”物語”を”物語”だと割り切って、楽しめる方には、
とてもおすすめです。

『The 8 Show~極限のマネーショー~』のココが面白い!

退屈なデスゲームのはずが、まったく目が離せない!?

本作は、
大ヒット作・イカゲームを思わせるような
デスゲーム仕立てとなっています。

しかしながら、
ゲームの内容は、
イカゲームなどとは大きく異なり、
”風呂なし、トイレなしのアパートで、過ごすだけ”という
至って、シンプルなものです。

ただ、そこで過ごすだけで、
1分間に数万ウォンの賞金が加算されるのです。

ただし、
生活に必要なものは、貯まった賞金の中から、
購入するしかありません。

なんとも、ぬるいゲーム内容です。

1話目を見始めた時は、
「えっなんか思ったのと違う・・・ただここで過ごすだけなの?」
という感想が、正直なところでした。

しかし、
そんな落胆も、つかの間。

2話目が終わるころには、
退屈に思われた、ぬるいゲームが、
こんなに目の離せない展開の連続に発展するとは・・・
と必ず思うはずです。

私は、怖いもの見たさで、
イッキ見してしまいました。

お金が生み出す”異常さ”がとにかく面白い!?

韓国の過酷な格差問題を、
デスゲームの設定を借りて、痛烈に風刺した作品。

それが、本作です。

ゲーム会場に着いた時に、
何気なく選んだ数字の書かれたカード、
それが、ここまで残酷な意味を持つことになるとは、
まったく思いもよりませんでした。

このカードこそが、
デスゲームの中での格差の序列を決めるための、
極めて重要な要素だったのです。

しかし、
”無知に対して残酷な仕打ちが待ち受ける”という点においては、
現実世界もそう大きくは変わらないのかもしれません。

人間、生きていれば、
「それを先に教えておいてくれよ・・・!」の連続です。

結局、
人は、生まれた時に、無作為に与えられたカードで、
どこまでも戦っていくしかないということなのでしょう。

ただ、もしも、
”8”のカードを選んだセラ(チョン・ウヒ)が、
気まぐれで、ほかの数字を選んでいたなら、どんな展開になっていたのだろう・・・、
と思わずにはいられない。

本作には、
そんな”もしかしたら”の想像を、
どうしてもしてしまう面白さがあります。


そして、
やはり、敗者が、格差社会のに風穴を空けるには、
とにかく、”バズる”以外に方法はないのかもしれませんね。

バズるためには、
絶えず求められ続ける”過激”を、
視聴者に提供し続けなければなりません。

たとえ、
人として尊厳を奪われ、
最後には命を落とすことになろうとも・・・。

そんなお金の魔力が生みだす”異常さ”が、
本作には、ド直球で表現されています。

そのド直球な表現こそが、
本作の最も面白いところだと感じました。


ちなみに、
格差問題がひどいイメージのある韓国ですが、
実は、2021年の”再分配所得ジニ係数”を比べてみると、
日本と韓国の格差のレベルは、同程度のようです。
(参考:Global Note

つまり、
本作の格差問題に対する風刺については、
日本人である私たちにとっても、
少なからず、共感できる部分があるはずだということですね。

決して、他人事ではありません。

人気映画『ジョーカー』と重なる設定が、面白い!?

ここからは、
少し、ネタバレの要素が強くなります。





本作のフィナーレを美しく彩るのは、
常に不条理な扱いを受け続けた”一階さん”でした。

運悪く、ゲームの中で、
格差の序列の最下層に配置されることとなった彼は、
不自由な片足をもちながら、ピエロを生業としていました。

ピエロは、
「悲哀」や「孤独」を表すメタファーとして、
使われることが多くあります。

本作でも、
「ピエロ」という設定を用いることで、
格差の底辺に堆積(たいせき)する、
「悲哀」や「孤独」が表現されていたのかもしれませんね。

そして、
バットマンの宿敵・『ジョーカー』の登場以降、
ピエロは、「反逆」の象徴を意味することもあります。

心を病んだ孤独な男をゴミのように扱えば、
世界は、その”報い”を受けることになるということですね。

さて、
”一階さん”のささやかな「反逆」は、
残念ながら、彼の世界に”報い”を受けさせることは叶わなかったようです。

しかし、少なくとも、彼は、
視聴者である我々に対しては、
感動を与え、現実世界の格差の問題について、
一人一人が、目を向けるきっかけを与えてくれたのではないでしょうか。

富める者は、自分が幸せな時にも、
世界のどこかには、
不条理な扱いを苦しんでいる人がいることを
忘れてはならないのかもしれませんね。

『The 8 Show~極限のマネーショー~』の作品情報

  • 脚本: ハン・ジェリム
  • 監督: ハン・ジェリム
  • 原作: Money Game & Pie Game
  • エピソード数: 8話

『The 8 Show~極限のマネーショー~』のキャスティング

  • リュ・ジュンヨル: 三階 / ペ・ジンス
  • チョン・ウヒ: 八階 / ソン・セラ
  • パク・ジョンミン: 七階 / ユ・フィリップ
  • イ・ユルウム: 四階 / キム・ヤン
  • パク・ヘジュン: 六階
  • イ・ジュヨン: 二階
  • ムン・ジョンヒ: 五階
  • ペ・ソンウ: 一階