真実はどうなの?ノルウェー産サーモンの安全性を徹底解説!

その食品、安全性は?

先日は、
チリ産の鮭について、
取り上げました。

チリ産の鮭については、
「少し、心配な話もあるよ!」
という結論にさせていただきました。

さて、では、
ほかに、よくスーパーで見かける鮭を
思い浮かべてみましょう。

やはり、
鮭と言えば「ノルウェー産」ですかね。


「チリ産の鮭がダメなら、どうすりゃいいんだ!」
というご心配の声も、うかがいました。

やっぱり、
サーモンは女子にも男子にも、
大人気な魚のようですね。

ということで、
今回は、
ノルウェー産の鮭は危険ではないのか?
について、取り上げていきましょう。

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ノルウェー産の鮭は、危険かどうかの判断が難しい!

一応、結論からということになりますが・・・

「ノルウェー産のサーモンは、
 危険かどうかを判断するのがとても難しい」

というのが、今回の結論です。

「白黒はっきりつけてくれよ!」
と怒られそうな気もしますが、
簡単に結論が出る話なら、
こんな記事など書かなくてもよさそうです(笑)


今回、「判断が難しい」と考える理由としては、
「安全だ!」とするエビデンスも
「危険だ!」とするエビデンスも
どうにも信憑性が高そうで、
簡単には結論づけられないと思ったからです。

参考までに、私はというと、
さすがに、金輪際、ノルウェー産の鮭を食べないという
判断をするつもりはありません。

当然ながら、いつも通り、
食品安全の最終判断は、
あなた自身がすることになりますので、
少しでも、その助けになればうれしいです。

というわけで、
くわしく見ていきましょう。

ノルウェーの鮭養殖場の底はヘドロまみれ!?

では、まずは、
バッドニュース・ファーストということで、
「ノルウェー産の鮭が危険かもしれない」と
考える理由から見ていきましょう。

↓の動画は、
ビジネスライターのMarcus Guilianoさんの動画です。
サーモン養殖場の海底の様子をロボットを使って調査しています。

この動画によれば、
ノルウェーの鮭の養殖場の海底は、
ゴミと化学物質で
汚れまくっているということのようです。

映像では、確かにヘドロ状の物が見て取れます。
少しショッキングな映像ですね。

そして、これらの毒素が、
ノルウェー産の鮭を汚染してしまっている
という話なわけですね。


つまるところ、
映像が捏造されたモノではない限り、
養殖場の海底が汚れているのは事実のようです。

そうであれば、
その毒素を鮭たちが
どれだけ体に取り込んでしまっているのか
というところが気になってきますよね。

もちろん、
海底が汚れていると言っても、
どのような物質で汚れているのか
ということも重要です。

細菌(バクテリア)で汚染されているということなら、
あまり、お刺身では食べたくないなぁ・・・
という話にもなってきますし、

妙な化学物質で汚れているなら、
そもそも食べない方がいいのでは!?
という話にもなってきます。

ただ、海は、
どこもすべてつながっていますので、
気にしすぎると、
魚はすべて食べられないという話にも
なってきてしまいます。


とりあえず、
ノルウェー産の鮭が危険と考える理由の一つとしては、
「養殖場の水底が、
 ゴミや化学物質で環境が破壊されているから」
ということになります。

ヨーロッパは、
きれいなイメージがありましたが、
一皮むいてみれば、
意外とこんなもん、というわけですかね・・・

ノルウェー産の鮭で肥満や糖尿病が進む!?

さてさて、
どうやら、ノルウェーの鮭の養殖場の水底は、
ずいぶんと汚れてしまっているようです。

では、
ノルウェーの鮭たちの汚染が、
どのように我々の健康に関係しているのか
というところについて、見ていきましょう。

2011年のノルウェーのブルゲン大学の
少し古い研究
になります。

マウスの研究ではあるのですが、
「養殖の鮭」と「糖尿病や肥満」との関係が
指摘されています。

「鮭に含まれる汚染物質」が、
マウスの体の働き(代謝)を
おかしくしている原因の一つだ
という話になっていますね。

ちなみに、鮭を汚染していた物質としては、
ダイオキシンやポリ塩化ビフェニル(PCB)といった
化学物質が挙げられています。

名前からして体に悪そうです(笑)
少し怖い話ですね。

そして、残念なことに、
他にも似たような研究報告があるようなので、
この少し怖い話に対し、
我々は一つの事実として向き合う必要が
あるのは間違いないようです。

肥満だけならまだしも、
糖尿病はさすがに怖いですよね。

ただし、少し明るい研究報告もあり、
1999年から2011年の間の観察で、
ノルウェーの養殖鮭の汚染物質が
減っていっているという話もあります。

しかし、
残念ながら、どこまで汚染物質が減れば、
安全かどうかは何とも言えません。

何を隠そう
ダイオキシンやPCBは、
「内分泌かく乱物質」という物質で、
環境省も注意喚起のメッセージを出しています。

「内分泌かく乱物質」については、
↓の関連記事にまとめていますので、
そちらもぜひご覧ください。

ノルウェー鮭の汚染物質は、天然物より少ない!?

さてさて、
ここまでの話を見ていて、
「ノルウェーの鮭、ヤバくね、食べられないじゃん!」
と思ってくださっていれば、
あなたは賢い頭脳をお持ちです。

しかし、そんなあなたも安心してください。

ここまでは、ゴリゴリのノルウェー鮭反対派の意見でしたが、
ここからは、ノルウェー鮭擁護派の意見を見ていきましょう。

ノルウェー国立栄養・シーフード研究所で、
おこなわれた研究
です。

この研究では、
ノルウェーの養殖鮭100サンプル(養殖物)と
野生で捕獲された鮭100サンプル(天然物)と
を調べて、含まれている汚染物質を
比べてみた、というものになります。

結果を見てみると、
ダイオキシン、PCBをはじめ、
農薬や重金属など、
多くの汚染物質で、
天然より養殖の方が、
クリーンだった
ことが示されています。

少し意外な結果ですが、
これが本当ならば、
ノルウェー産のサーモンは、
「危険ではない」という結論になりますよね。

ただし、
研究資金の提供元が、
ノルウェーの食品安全局というのが
一つ気にかかりますが(笑)


しかしながら、
今回の話をすべて総合すると
一番怖い話にたどり着く気もします。

すなわち、

養殖の鮭が肥満や糖尿病に関与している←事実

養殖の鮭は、天然の鮭よりもクリーンだった←事実

だとすると、天然物も養殖物も
鮭そのものが体に悪いという話に帰結してしまうような。。。

取り上げた研究報告も
そこまで新しいものではないようですので、
そこまでは考えないようにしましょうか・・・(苦笑)

ノルウェー産の鮭はチリ産よりは、抗生物質の面では安全そう

さて、
意外と危険な話もあったノルウェー産の鮭ですが、
やはり、チリ産の鮭よりは、
どうやら、安全性が高いと考えられそうです。

チリ産の鮭が危険と言われる理由の一つは、
「抗生物質が大量に使われていること」でした。

抗生物質の面から考えれば、
ノルウェー産の鮭は非常に優秀なようです。

海洋保護団体のOCEANAに2017年のレポートによれば、
ノルウェー産の鮭の抗生物質の使用量は非常に少ないです。

どれくらい少ないかというと、
チリでは、727,812 トンの鮭を生産するのに、
 382,​​500 キロの抗生物質が使われたそうです。

対して、ノルウェーはというと、
チリの2倍の量の鮭を生産するのに、
523キロの抗生物質を使ったと記されています。

実に、700倍の使用量ですね。

もちろん、抗生物質の使用量だけで、
単純に安全性を比べることはできません。

しかしながら、
使用量を極力、抑えようとする姿勢からは、
安全意識の高さがうかがえると
考えることもできるかもしれませんね。

というわけで、私が、
チリ産とノルウェー産の鮭を選ぶとするならば、
現時点では、ノルウェー産の鮭を選ぶと思います。

ノルウェー産の鮭は危険なの?

今回は、
「ノルウェー産の鮭が危険なのか」
について取り上げました。

どうやら、
我々のイメージに反して、
ノルウェーの鮭の養殖環境は、
そこまできれいなものではないのかもしれない
ということがわかりましたね。

しかし、一方で、
天然物の鮭よりも、
養殖物の鮭の方が、
汚染物質が少ないという研究報告も存在します。

ただし、基本的に、
汚染物質として挙げられている物質は、
「内分泌かく乱物質」に該当するものが多くあります。

ダイオキシンやポリ塩化ビフェニル(PCB)などが
それにあたりますね。

「内分泌かく乱物質」は、
体に入る量が少ない方が人体に悪い影響を与える
という研究報告もあります。

しっかりと勉強して、
自分と家族の身を守れるように
努力しないといけませんね。