タイ産の鶏肉の安全性、本当のところは?

その食品、安全性は?

最近、
行きつけのスーパーに
「タイ産の鶏肉」が
並び始めました。

やはり、国産よりも安いです。

ただ、例によって、
安全性の面で
買ってもよいものかと
二の足を踏んでいます。

ということで、
今回は、
タイ産の鶏肉って大丈夫なの?
について、調査してみました。

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タイ産の鶏肉は安全なの?

まずは、
いくつかの視点から見てみた
結論です。

タイ産の鶏肉は、
「安全」だと言えそうです。

ただし、
タイ産の鶏肉には、
バッドニュースもありました。

「安心」して食べられるかどうかは、
人によるかも・・・
というのが正直な感想です。

2002年に
発がん性物質である
ニトロフランの残留物が検知されたという
嫌なニュースもありましたもんね。

なんだか煮え切らない言い方かもしれませんね。

とりあえず、
くわしく見ていきましょう。

タイのGFSIは低くはない

まずは、
「客観的な指標を」
ということで、
2021年のGFSIを見てみましょう。

「GFSI」というのは、
イギリスのメディア企業である
『エコノミスト』により、
作成されている
各国の食料安全に関する指標です。

タイの『食料安全』のスコアは、
93.5/100です。

スペインの『食料安全』のスコアと
同列ですね。

ちなみに、
世界の『食料安全』のスコアの平均は、
60.9/100で、

日本の『食料安全』のスコアは、
99.5/100です。

他の項目のスコアを見てみると、
タイには、
国民の食生活に
少々問題があるようですね。

ただし、
食料安全』のスコアだけを見れば、
安全性の面で問題はないと
考えてよさそうです。

仮にも、
「日本」や「EU」などの先進国が
輸入を認めているのです。

なので、
当たり前といえば当たり前かも
しれませんね。

ちなみに、
「EU」がタイ産の鶏肉の
輸入を禁止しているというのは
正しい情報ではありません。

メディアのあおりに
惑わされないようにしましょう。

ひとまず、
客観的に見て、
食料の品質は、問題なし
ということで、
もう少しふみ込んでみましょう。

タイ産鶏肉におけるホルモン剤

やはり、お肉の安全性を考える上で、
気になるのは、
ホルモン剤」でしょうか。

タイの大手養鶏業者である
CPF社からのメッセージによると、

タイの養鶏業においては、
 ホルモン剤や成長促進用の添加物は
 使用されていない。

とされています。

これに関しては、
「EU」が
タイ産の鶏肉を
輸入している時点で
疑う余地はないかと思います。

「EU」は
「ホルモン処理されたお肉」を
禁止しています。

ちなみに、
「EU」や「日本」は
2004年に
一度、タイ産の鶏肉を
「輸入禁止」にしたことがあります。

しかし、これは、
「鳥インフルエンザの発生」が原因です。

2022年現在には、
すでに輸入は解禁されています。

とりあえず、
ホルモン剤に関しては、
タイ産の鶏肉には使用されていない

と考えてよいでしょう。

ホルモン剤の危険性について、
気になる方は、下記の記事をご覧ください。

タイ産鶏肉における抗生物質

次に、
食肉の安全で、
よく注目される
抗生物質」についても
見ておきましょう。

抗生物質には、
主に以下の2つの使用目的があります。
・病気を治すため
・成長をはやめるため

どこの国でも、
家畜の「病気を治すため」に、
抗生物質が使われることはあります。

タイも例外ではありません。

しかし、
これとは別に、
家畜の「成長をはやめるため」に
抗生物質が使われることもあります。

こちらは悪い使い方とされています。

タイの大手養鶏業者である
CPF社からのメッセージによると、

病気の予防のために
 ワクチンを打つことはあるが、

 成長をはやめるために抗生物質を
 使用することはない

とされています。

加えて、タイでは、
鶏肉を加工する前に、
 畜産開発局に
 化学物質を使用していないことを
 証明しなければならない

とも、記されています。

世界中に輸出をおこなうために
「品質管理をしっかりしよう」
というタイ当局の意図を感じますね。

また、
2010年のデータになりますが、
「タイ」は「日本」に比べて、
肉の生産1kgあたりの抗生物質の使用量を
少なくおさえているようです。
(タイ:82.4mg,日本:100.9mg)

抗生物質を多く使えば、
「耐性菌」が発生するリスクが高まるため、
使用量は少ない方がいい

という考え方もあります。

とりあえず、データを見る限り、
タイでは、
抗生物質についても、
おかしな使い方は
していない
ようにも思えますね。

タイ産の鶏肉で抗生物質の残留物が認められた?

少し気になったトピックスが、
NIKKEI ASIAの記事にありました。

タイの消費者財団が、
ファーストフード店で
鶏肉の抗生物質の検査を行ったそうです。

その結果、
18サンプルの内、
1つのサンプルに
抗生物質の残留物が検出された

としています。

18分の1というのは、
少し多いようにも思います。

抗生物質の残留物が、
人に有害であることに関しては、
研究報告もなされています。

これは、少し気になる
ニュースではありますね。

さいごに

今回は、
タイ産の鶏肉は大丈夫なの?
ということについて、
見てきました。

タイ産の鶏肉は、
「ホルモン剤」や「抗生物質」などの
客観的なデータから見れば、
ある程度「安全」と判断してもよいと思います。

しかしながら、
消費者財団の検査で、
「抗生物質の残留物が認められた」
というバッドニュースもあります。

ある程度、
「安全」なのは、
分かりましたが、
「安心」して食べられるかどうかは
別の問題で、
それは、人それぞれかもしれません。

やはり、個人的には、
新興国の食品は、
ブラジルの違反事例などもあり、
若干の不安を感じる面もあります。

輸入食品を活用する前には、
正しい知識を身に着けておきましょう。