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タイ産の鶏肉って安全なの?危険だと言える3つの理由

その食品、安全性は?

最近、行きつけのスーパーに
「タイ産の鶏肉」が並び始めました。

やはり、国産よりも安いです。

しかしながら、
ブラジル産の鶏肉と同じで、
安全性について、少し心配はありませんか?

今回のテーマは、
タイ産の鶏肉って大丈夫なの?
です。

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タイ産の鶏肉には、注意点がある!?

さて、今回の結論は、
「タイ産の鶏肉には、注意が必要な点がある
です。

2002年には、タイ産の鶏肉には、
発がん性物質である「ニトロフラン」の残留物が検知されたこともありました。

ずいぶん前の話ではありますが、
これは、かなりのバッドニュースです。

さて、その後、
タイ産の鶏肉は、
安心・安全な商品に生まれ変わることはできたのでしょうか?

今回の記事で、
あなたの賢い鶏肉選びを
少しでも手助けにできればうれしいです。

それでは、
くわしく見ていきましょう。

タイ産の鶏肉の危険だと言える3つの理由

さっそく、
タイ産の鶏肉の3つの心配について
見ていきましょう。

タイの食品は世界的に見て安全性がやや低い!?

まずは、
タイの食品の安全性について、
客観的な指標を確認しましょう。

2022年の「GFSI(Global Food Security Index)」を
参考にします。
(参考:Global Food Security Index 2022

「GFSI」というのは、
イギリスのメディア企業である
『エコノミスト』により、
作成されている各国の食料安全に関する指標です。

では、タイのスコアを見てみましょう。

タイの『Food Safety』のスコアは、
71.4/100」です。

なんと、世界平均の
「76.4/100」を下回っています。

つまり、
タイの食品の安全性は、
世界的に見れば、
決して高くないということになります。

点数の内訳をみてみると、
「Relevant food safety legislation(食品安全に関連する法律)」のスコアが、
0/100と評価されています

「Relevant food safety legislation」のスコアは、
・食品安全法が制定されているか?
・過去5~10年間で法律は更新されたか?
といったことが評価されています。

このスコアが「0点」ということは、
食品安全に関する法律が長い間、
更新されず、放置されているということでしょうか。

残念ながら、
スコアだけを見ると
タイ産の鶏肉を避ける理由としては、
十分と言えるかもしれません。

仮にも、
「日本」や「EU」などの先進国が輸入を認めているので、
タイ食品が不安全だということはないでしょうが、
少し気になる評価ですね。

ちなみに、
「EUがタイ産の鶏肉の輸入を禁止している」というのは
正しい情報ではありません。

メディアのあおりに、
惑わされないようにしましょうね。

タイ産の鶏肉で抗生物質の残留物が認められた!?

少し気になったトピックが、
NIKKEI ASIAの記事にありました。
(参考:Shakeup in Thai poultry industry as human health fears grow

タイの消費者財団が、
ファーストフード店で
鶏肉の抗生物質の検査を行いました。

その結果、
18サンプルの内、
1つのサンプルに抗生物質の残留物が検出された

とされています。

検出率としては、
18分の1というのは、
少し高いようにも思えます。

抗生物質を甘く見てはいけません。

日本でも年間8000人の方が、
抗生物質の乱用で、生み出された耐性菌のせいで
命を落としているという報告もあります。
(関連記事より:牛肉や豚肉、魚の抗生物質は、どれだけ体に悪いの?身を守るには?

タイ産の肉の抗生物質の使用量はヤバい!?

さて、タイで「抗生物質の残留物が発生している」ことに関連して、
タイでの抗生物質の使用量を確認しておきましょう。

実は、タイは、
かなりの量の抗生物質を使用しているのです。

2020年のデータです。
タイの肉の生産1kgあたりの抗生物質の使用量は、
「338mg/PCU」とされています。

対して、
日本の肉の生産1kgあたりの抗生物質の使用量は、
「63mg/PCU」です

抗生物質は、大量に使えば、
・「耐性菌」が発生するリスクが高まる
・「残留物」が鶏肉の中に残ってしまう
などのことにつながるため、使用量は少ない方がいい
という考え方もあります。

とりあえず、データを見る限りでは、
タイでは、抗生物質が大量に使用されていることが伺えます。

このデータを見れば、
なぜ、抗生物質の残留物が鶏肉に見つかったのか、
なんとなく納得してしまいますね・・・。

タイ産の鶏肉が安全だと言える2つの理由

タイ産の鶏肉のリスクを
3点ほどあげました。

次は、
客観的な情報からは、
タイ産の鶏肉が、安全だと考えてもよい理由も
2つほどあげておきます。

タイ産の鶏肉にはホルモン剤は使われていない

まず、
お肉の安全性を考える上で、
気になるのは、
ホルモン剤が使われていないか
でしょうか。

タイ産の鶏肉には、
「ホルモン剤は使われていない」と考えてよいでしょう。

タイの大手養鶏業者である
CPF社からのメッセージによると、
(参考:Relaxed! Eating chicken is safe.

タイの養鶏業においては、
 ホルモン剤や成長促進用の添加物は
 使用されていない。
」とされています。

これに関しては、
「EU」が、タイ産の鶏肉を輸入している時点で、
疑う余地はないかと思います。

「EU」は
「ホルモン処理されたお肉」の輸入を
禁止しているからです。

ちなみに、
「EU」や「日本」は
2004年に一度、タイ産の鶏肉を
「輸入禁止」にしたことがあります。

しかし、これは、
「鳥インフルエンザの発生」が原因です。

2022年現在には、
すでに輸入は解禁されています。

とりあえず、
ホルモン剤に関しては、
タイ産の鶏肉には使用されていない

と考えてよいでしょう。

ホルモン剤は、
微量でも私たちの体の機能を悪影響を与えるとされているため、
注意が必要なのです。
(参考: お肉のホルモン剤、体に悪いの?お肉を選ぶ時のポイントとは

タイ産鶏肉の抗生物質の使い方は適切

先ほどリスクとして、挙げたように
抗生物質が大量に使われているタイ産の鶏肉ですが、
「抗生物質の使い方」自体は適切なようです。

まず、抗生物質の使い方について、
おさらいしておきます。

抗生物質には、
主に以下の2つの使用目的があります。

抗生物質の用途:
・病気を治すため
・成長を早めるため

どこの国においても、
家畜の「病気を治すため」に、
抗生物質が使われることはあります。

病気の家畜を放置するのは、
動物虐待に当たるという考え方もあります。

タイも例外ではありません。

しかし、
それとは別に、
家畜の「成長を早めるため」に
抗生物質が使われることもあります。

こちらは悪い使い方とされています。

タイの大手養鶏業者である
先ほどのCPF社からのメッセージによると、
病気の予防のためにワクチンを打つことはあるが、
 成長をはやめるために抗生物質を使用することはない
とされています。

加えて、タイでは、
鶏肉を加工する前に、
 畜産開発局に化学物質を使用していないことを証明しなければならない

とも、記されています。

世界中に輸出を行うために
「品質管理をしっかりしよう」
というタイ当局の意図が感じられますね。

ただし、
先ほども触れましたが、
タイが家畜に使う抗生物質の量は、
かなり多いようです。

結局、タイ産の鶏肉の安全性は?

今回は、
タイ産の鶏肉は大丈夫なの?
について、取り上げました。

タイ産の鶏肉は、
「ホルモン剤」や「抗生物質の使い方」などの
客観的な情報から考えれば、
ある程度「安全」と判断してもよいと思われます。

一方で、以下のような
心配な一面もありました。

・2022年度のGFSIスコアが低い。
・消費者財団の検査で、抗生物質の残留物が認められた。
・抗生物質の使用量が、タイは日本の5倍。

仮にも日本国の税関を通っているので、
タイ産の鶏肉が、
ある程度、「安全」なのは確かなのでしょうが、
誰もが、「安心」して食べられるかどうかは別の問題です。

やはり、個人的には、
新興国の食品は、
ブラジルの違反事例などもあり、
若干の不安を感じる面もありますよね。

輸入食品を活用する前には、
正しい知識を身に着けておきましょう。