【徹底考察】ブラジル産の鶏肉の安全性って、どうなの?

その食品、安全性は?

ブラジル産の鶏肉、安いですよね!

しかし、
「ブラジルって大丈夫なの・・・?」

という心配があるのもわかります。

はたして、
ブラジル産の鶏肉は、
買っても大丈夫なのでしょうか?


というわけで、
今回は、
ブラジル産の鶏肉の安全性
について、
まとめていきましょう。

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【はじめに】私はブラジル産鶏肉も買いますが、体調は大丈夫です

はじめに、書いておきますが、
私は、「ブラジル産」の鶏肉を買っています。

「国産」を買うことも、
「ブラジル産」を買うこともありますが、
「ブラジル産」の鶏肉を食べた後だけ、体調に変化を感じる!
といったことはありません。

ちなみに自慢ではありませんが、
私は、体調の変化にはかなり敏感な方です!(笑)

というわけで、
一般的に言われているように、
「ブラジル産の鶏肉」を食べても、
目に見える形で体調を損ねるということはない
という認識で
間違いはないのだと思います。

ですが、
私は、最近、ブラジル産の鶏肉には、
いくつかの潜在的なリスクが
あるかもしれないとも思い始めています。

ですので、
実は、最近は、
鶏肉は、「国産」派に傾きつつある自分もいます。

といったところで、今回は、
「ブラジル産鶏肉」について、
客観的に見て安全だと思える理由」を確認した後に、
心配な点」についても
まとめていきたいと思います。

ブラジル産の鶏肉を客観的に見て安全だと思う理由

まずは、
「ブラジル産の鶏肉」を、
「客観的に見て安全だと思える理由」について
まとめていきたいと思います。

ブラジル産の鶏肉にホルモン剤は使われていない?

まず、
お肉の安全性で、気になるのは、
ホルモン剤が使われていないか」でしょうか。

ホルモン剤については、
ブラジル産の鶏肉には使われていないと
考えてよいようです。

ブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)によれば、
ブラジル産の鶏には、
ホルモン剤の使用は禁止されている」とのことです。

さらに言えば、
鶏の体内でホルモン剤が
効きはじめるには、
60日かかります。

しかし、
鶏は約42日で
出荷されてしまうので、
「ホルモン剤」を使うのは
「不可能」、そして「意味がない」
ということになるわけです。

説得力がありますね。

これで、
ブラジル産の鶏肉には、
「ホルモン剤は使われていない」
ということには納得です。

ブラジル産の鶏肉には、ホルモン剤のリスクがない
ということで、ひとまず、安心です。

ブラジル産の鶏肉と抗生物質

お肉の安全性について、
次に気になるのは、
「抗生物質」でしょうか。

まずは、
「抗生物質」についてのおさらいです。

牛や豚や鶏を育てる時の
「抗生物質」の用途は↓の2つでしたね。

・病気を治すため
・成長を早めるため

抗生物質の正しい使い方は
病気を治すため」ですよね。

一方で、
抗生物質は、
成長を早めるため」に
使われることもあります。
こちらは悪い使い方です。


さて、
ブラジルでは、「抗生物質」を
どんな風に使うのかというと、
「成長をはやめるため」に
抗生物質を使うことは禁止されています

近年、多くの国でも
抗生物質を「成長を早めるため」に使うのは、
禁止されています。

これは、
人類を「耐性菌」から守るために
必要な措置ということでしょう。

また、
2010年のデータになりますが、
「ブラジル」は「日本」に比べて、
「肉の生産1kgあたりの抗生物質の使用量」を
少なくおさえているようです。

・ブラジル:44.5 mg
・日本:100.9 mg

抗生物質を多く使えば、
「耐性菌」が発生するリスクが高まるため、
使用量は少ない方がいい

という考え方があります。

世界的には、
「肉の生産1kgあたりの抗生物質の使用量」を
50mg以下に抑えることが
目標とされています。

ですので、
ブラジルは、
目標を達成できていると言えますね。

というわけで、
ブラジル産の鶏肉は、抗生物質のリスクもそれほど高くはない
ことがうかがえます。

実はブラジルのGFSIは低くない

では次に、
2022年の
GFSI(世界食料安全保障指数)
確認してみましょう。

「GFSI」というのは、
「Global Food Security Index」の略です。

イギリスのメディアカンパニーである『エコノミスト』が
発行している世界各国の食料安全に関する指標です。

ブラジルの
・「食料安全に関連する法律」
・「食品安全メカニズム」
のスコアを見てみると、
いずれも『100/100』となっています。

これは、日本と同等のスコアです。
世界では、かなり高い水準ということです。

普通に考えれば、
「安全性は高い」といえるでしょう。

ただし、
このスコアは、
食品安全のために、
・「法律」
・「ガイドライン」
・「検査能力」
などが、どれだけ整っているかを
示したものです。

つまり、
これらがきちんと
守られているかどうかは、
別の問題かもしれません。

意味深ですね(笑)
↓の「ブラジル産の鶏肉への心配」で、
くわしく取り上げていきましょう。

ブラジル産の鶏肉への心配

ブラジル産の鶏肉の安全性は、
客観的に見ると、問題ないということは、
わかっていただけたかと思います。

さて、ここからは、
「ブラジル産鶏肉の心配な点」について、見ていきましょう。

新興国特有のモラルの低さによる不正の発生リスク

2017年のニュースです。

ブラジルの食肉加工業者が
検査官に「わいろ」をおくり、
衛生基準を満たさない食肉を
出荷・販売していた

という話がありました。

日本の常識では、
考えられない話です。

また、
2018年には、
検査データの改ざんが発覚していたりします。

日本でも、
製造業では、
検査の不正は、
たまにありますよね。

しかし、
食品業界では、
ほとんど聞いたことがないです。

もし発覚すれば、大事件になります。

いずれも、
ブラジルという国の「食品安全への意識の低さ」を示す
かなりネガティブなニュースだと思います。

一部の業者で起きたことかもしれません。

しかし、
たいていの新興国では、
市場経済の発展に
法律の整備が追い付いていません。

新興国では、
そんな風土の中で、
「品質」よりも「利益」を優先した結果、
不正がひんぱんにおきるものだと
私は認識しています。

発展途上国だったころの
日本も例外ではありませんでした。

ブラジルだけに
いえる話ではありませんが、
新興国の製品の品質には、
全面的な信用を置くべきではない、
というのが私の持論です。

しかし、
上記のようなニュースを受けて、
日本国内で行われている「輸入検査」が、
強化されていることも事実です。

そんな中でも、
厚生労働省からは、
新たな「違反事例」は、報告されていません。

つまり、
ある程度の品質は
保たれていると考えてもよさそうです。

日本国内での輸入検査も完全ではない

「輸入食品」には
「輸入検査」がおこなわれます。

当然のことですが、
「輸入検査」も
輸入食品が
1トンあれば、1トンすべてを
検査するわけにはいきません。

製品の一部の
「抜き取り検査」を行うことになります。

そこで、
たまたまサンプリングした部分に
問題がなく、
製品全体がそのまま合格してしまう
というケースがあることは
十分に考えられます。

特に、カビや細菌については、
製品全体に均等に付着しているわけではありません。

これらは、検査では
見落とされる可能性があることは、
なんとなく想像できてしまいます。

技術的な話になりますが、
混ぜれば均一になる「液体」と違って、
お肉のような「固体」の製品には、
どうしても「かたより」ができてしまいます。

つまり、
製品の一部分のサンプルが、
検査で合格したからと言って、
「製品全体が安全である」
とは言いきれないということです。

くわえて、
しんぶん赤旗からは、
「輸入食品の91.2%は、無検査で輸入されている」
ということも指摘されています。

少し心配になる話では、ありますね。

しかし、それでも、
ある程度の統計的な根拠が
あるはずの「輸入検査」です。

それでも、
「新たな違反事例」が報告されていないのです。

つまり、
ある程度の品質は
保たれていると考えてもよさそうです。

ブラジルの衛生面の質

ブラジルの衛生面の質の低さも
少し気になります。

2016年のWHOによる調査です。


「ブラジル」と「日本」で
1年間に「衛生状態の悪さ」が原因で、
亡くなる方の数を比較してみましょう。

「ブラジル」では、
人口10万人当たりに1人。

「日本」では、
人口10万人当たりに0.2人。

大した差とは思えないかもしれませんね。

しかし、
数値にすると、日本に比べて、
ブラジルは、
衛生状態が5倍悪いと
解釈することもできます。

いろいろ背景はあるようですが、
EUは「サルモネラ菌」を理由に
一部のブラジル産の鶏肉の輸入を
拒んでいる
ようです。

ちなみに、
国産の鶏肉にも
「サルモネラ菌」はいますので、
しっかり加熱して食べましょう。

鶏の生育環境が良いことによるリスクもある!?

次は、
日本よりも、
ブラジルの方が、
鶏の生育環境が良いという話です。

世界動物保護団体が発表している
2020年の各国の「動物保護指数」で、
「ブラジル」と「日本」を見てみましょう。

「Protecting animals used in farming(家畜の保護)」のスコアを
見てみると・・・

「ブラジル」は「D」となっていますね。

「日本」はというと、「G」です。

ちなみに、
スコアは「A」から「G」まであり、
「G」が一番悪いです。
日本ヤバいですね(笑)

ブロイラー鶏へのコメントを見てみると、
日本もブラジルも
飼育密度を 30 kg/m2 以下に減らすように
推奨を受けているようです。

日本もブラジルも
どうやら、わりとギュウギュウの状態で、
飼育がおこなわれているようです。

そして、さらに、
日本の「家畜の保護」については、
さらにコメントがあり、
動物の 5 つの自由を保護する」ように
推奨されています。

5つの自由とは、
〇飢えや渇きからの自由
〇不快からの自由
〇痛み・負傷・病気からの自由
〇本来の行動がとれる自由
〇恐怖・抑圧からの自由

日本の鶏たちは、
これらの自由すらも
与えられていないということのようです。

しかし、
鶏の生育環境が悪く、
鶏が自由に動き回れない点については、
悪いことばかりではありません

鶏には、「小石」を食べる習性があります。

歯のない鶏は、
食べた小石を使って、
いわゆる「砂肝」の中で食べたものを
うまくすり潰します。

さて、この時、
動物福祉を意識して、
鶏を自由に歩き回れる環境で
飼育していた場合、
どんなことが起きるでしょうか。

答えは、
「鶏が汚染された土壌の小石を食べてしまう」
ということが起こり得ます。

実際に、オーガニックの鶏卵では、
鶏を外でのびのびと育てさせたために、
「土壌中の重金属が卵に移ってしまう」という
話もあります。

日本の鶏のように、
飼育場で動けなくしておけば、
少なくとも鶏が重金属に
汚染されることはないというわけですね。

といったわけで、
動物福祉が進み過ぎていると、
違ったリスクも現れてくるという
問題もあります。

ブラジルのそれぞれの飼育場での
鶏の生育環境がどこまで、
しっかり整えられているかまでは、
残念ながら、わかりません。

ただ、
動物福祉が進んでいることにより、
鶏が重金属に汚染されるリスクも
ゼロではないわけです。

ブラジル産の鶏肉にラクトパミンは?

お肉を早くを育てるための薬剤として、
「ホルモン剤」の他にも、
使われる薬がありましたね。

β作動薬・・・
いわゆる「ラクトパミン」です。

「ラクトパミン」をエサに混ぜてあげることによって、
お肉の成長を早めることができます。

「ラクトパミン」が承認されている国は、
世界では、少数派ではあるのですが、
「ブラジル」は、その国の一つに当たります。

じゃあ、やばいじゃん!?

と思いますよね。

しかし、どうやら、
ブラジルでは、「鶏には」ラクトパミンは
使われていないようです。

過去にラクトパミンを禁止しているロシアが、
「輸入した豚からのラクトパミンの検出」を理由に、
ブラジルからの牛と豚の輸入を制限しました。

この時、鶏の輸入については、
特に禁止されていないので、
「鶏には、ラクトパミンは使用されていない」
と判断されたということなのでしょう。

ちなみに、
ロシアは、ラクトパミンの使用を理由に
アメリカからのお肉の輸入も禁止していましたが、
この時は、鶏の輸入も一緒に禁止されていますね。

というわけで、
ブラジル産の鶏肉については、
「ラクトパミンは使用されていない」
と考えてよいようです。

しかし、

牛や豚のエサと鶏のエサが何かの不手際で、
混ざってしまうことはないの?

と言われると、
そういったリスクがまったくないとは
言い切れないのではないのか、
と私は少し思っていたりもします。

いずれにしても、
「多くの国がラクトパミンを禁止している」
という事実は、忘れてはいけません。

そういった意味では、
「ラクトパミンの混入リスク」は、
ブラジル産の鶏肉を避ける理由としては、
十分なのかもしれませんね。

実は、
個人的には、この辺りが
けっこう気になっていたりします。

「ラクトパミンの安全性」については、
↓の関連記事も、ぜひご覧くださいませ。

ブラジル産鶏肉の安全性は?

今回は、
「ブラジル産鶏肉の安全性」
について、
取り上げました。

・ブラジルの業者のモラル
・輸入検査の問題
・衛生面の質 などなど

否定的な意見もかなり出てきましたね。

しかし、私は、
それでもブラジル産鶏肉を買うのを
やめることはないと思います。


ブラジル産の鶏肉は、
仮にも日本という先進国の税関を通って、
きちんと検査(審査)を受けた上で、
スーパーに並んでいます。


先進国のきびしい審査に通るということは、
それなりの品質が担保されていると
考えるのは至極、自然な考え方だと思います。

というわけで、
また、ブラジルで
ショッキングなニュースが出ない限りは
私はブラジル産の鶏肉を選び続けると思います。