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ママ必見!PPSUの哺乳瓶は使っていいの?本当のところは?

その食品、大丈夫?

知人に赤ちゃんが生まれます。

赤ちゃんは、弱い生き物です。

なので、
みんなで守ってあげないといけません。

では、ベビーグッズの中でも、
「特に注意が必要なグッズ」とは何でしょうか?

やはり、その一つは、
「哺乳瓶」ではないでしょうか。

「哺乳瓶」は、
赤ちゃんが必ず口をつけるベビーグッズです。

昔の「哺乳瓶」には、
ビスフェノールA(BPA)」という有害物質が
含まれていました。

現在では、
規制があるわけではありませんが、
きちんとした企業の製品であれば、
「BPA」が「哺乳瓶」に使われていることはなさそうです。

しかし、最近では、
「ビスフェノールA(BPA)」の代わりに
「ポリフェニルスルフォン(PPSU)」などという
新たな素材の「哺乳瓶」が登場しています。

では、
新しくあらわれた、
この「PPSU」は、使っても大丈夫なのでしょうか?

今回は、
「PPSU(ポリフェニルスルフォン)の哺乳瓶」について取り上げます。

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PPSUは、無害とは断定できない・・・

今回の結論は
「PPSU(ポリフェニルスルフォン)は、無害とは断定できない」です。

私は、「PPSU」は、
少なくとも「無害ではない」と考えています。

ですので、
心配な方は、やはり、
「ガラス製の哺乳瓶」を使うというのが、
間違いが起こらないのかな、と思います。

ガラスは、すぐに割ってしまうという話も聞きますし、
別の問題が増えてくるかもしれませんが・・・。


ちなみに、
いくつかのブログや企業のホームページなどで
PPSUは、環境ホルモン(内分泌かく乱物質)を含まない
という記述を見かけます。

しかし、これは誤りです。

まず、ブログには、
誤った情報があるかもしれないことを常に疑いましょう。
(当ブログも含めてです!)

そして、
企業のホームページの自社商品についての発信は、
鵜呑みにしないようにしましょう。

「うちの商品は体に悪いよ!」
と言いながら、営業をしている企業の商品など、
誰も買いませんよね。

たいていの企業は、商品を売るためなら、
規制を都合よく解釈したり、
話をすり替えたりしながら、
虚偽すれすれの情報を流してくるものです。

もしかしたら、
本当に事実を誤認しているのか、
勉強不足なだけなのかもしれませんが・・・。

消費者が考えているよりも、
いい加減な企業も多いのも事実です。

とにかく、
正しい情報は自分で探し出すしかありません。

前置きが長くなりましたが、
くわしく見ていきましょう。

PPSUそのものには、毒性はない!?

まずは、
「PPSUには、毒性はない」という話から見ていきましょう。

これについては、話は簡単です。

「PPSU」は、
すでに一般的な毒性試験にもとづいて
評価が行われた結果、
「毒性はない」という結論に至っています。

「哺乳瓶」は、
赤ちゃんの口に触れる大事なものです。

そのため、
厳しい試験をパスしないと、
その材料で哺乳瓶を作ることはできません。

つまり、
「PPSU」は、曲がりなりにも、
厳しい試験をパスしていることは事実です。

このことから、
「PPSUには、毒性はない」
という結論になるわけですね。

しかし、残念ながら、
「毒性がない=無害」とはならないところがむずかしいところです。

ここで言う「毒性」というのは、
主に「発がん性」を指すことが多いからです。

PPSUには、環境ホルモン(内分泌かく乱物質)が含まれている!?

さて、ここまでの話で、
「PPSU」には、「毒性はない」ことはわかりましたね。

では、次は、
「PPSU」には、
「内分泌かく乱物質(環境ホルモン)」が含まれている
という話をみていきましょう。

大手ベビーグッズメーカーのQ&Aページを見てみても、
内分泌かく乱物質を含んでいるか?」という話をしているはずが、
なぜか「『BPA』は含まれていない」という話にすり替えられてしまっています。

言うまでもなく、
「内分泌かく乱物質」という呼び名は、
「BPA」だけを指すものではありません。

企業が、善意・悪意を問わず、
このようなメッセージを出してしまうと
消費者は、
「BPAを使ってなければ、無害なんだ!」
という誤った認識を植え付けられてしまいます。

もちろん、企業側からすれば、
消費者がそのような誤った認識をもてば、
都合がよいわけですが・・・(苦笑)

確かに、
このご時世で「内分泌かく乱物質」を完全に含まない素材だけで
製品を作ることは、不可能に近いかもしれません。

しかし、
そこをなんとなく、ごまかしながら、
情報があふれるこの社会で営業活動を続けるというのも、
簡単ではないと思います。


とりあえず、このような具合に、
ブログや企業のホームページで
「PPSUは、内分泌かく乱物質を含まない」
というような発信が散見されています。

しかし、
これは誤りです。

食品包装フォーラムの発信を見てみましょう。
(参考:Assessment of PPSU for baby bottles

この発信では、
「PPSU」が、
「ビスフェノールS(BPS)」と
「4,4′-ジヒドロキシビフェニル(DHBP)」で
構成されるプラスチックであることが紹介されています。

あなたが、化学にくわしくない方であれば、
何が書いてあるのか、まったくわからないかもしれませんね。

そして、残念ながら、
「BPS」も「DHBP」も立派な
「内分泌かく乱物質」であることも紹介されています。

つまり、このことから、
「PPSU」は、「内分泌かく乱物質」と「内分泌かく乱物質」を
合成して作ったものであるということがわかります。

これは、どう考えても、
PPSUは、内分泌かく乱物質を含んでいる
と言わざるを得ません。

ちなみに
「ビスフェノールA(BPA)」と
「ビスフェノールS(BPS)」は、名前が似ていますね。

ご想像の通り、
化学的な構造もほとんど同じです。

ですので、
「BPA」と「BPS」の「内分泌かく乱性」は、
大して変わらないと言われています。
(参考:『病み、肥え、貧す 有害化学物質があなたの体と未来をむしばむ』


このことから、
「PPSUは、環境ホルモン(内分泌かく乱物質)を含まない」
という話は
完全誤りだと言えるわけです。

PPSUの哺乳瓶は使っても大丈夫なの?

ここまでの話で、
「PPSUには、内分泌かく乱物質(環境ホルモン)が含まれている」
という話は分かって頂けたかと思います。

しかし、
ここで本当に重要なのは、
「”哺乳瓶”に”内分泌かく乱物質”が含まれるかどうか」ではありません。

本当に重要なのは、
“哺乳瓶”に含まれる”内分泌かく乱物質”がミルクの中に溶け出さないかどうか」ということです。

たとえ、
「哺乳瓶」に「内分泌かく乱物質」が含まれていても、
ミルクにまったく溶け出さないのであれば、
「PPSUは無害だ」と考えてよいことになります。

もし、そういうことであれば、
「PPSUは内分泌かく乱物質を含まない」と発信しているみなさんも、
ぎりぎり嘘は言っていないことになります。


これについても、
先ほどの食品包装フォーラムのコラムで紹介されています。

ドイツのドレスデン工科大学で
行なわれた研究が紹介されていますね。

それは、以下のような研究となっています。

PPSUの哺乳瓶に70℃の「模擬ミルク」を2時間ほど入れて、
哺乳瓶の成分が溶け出さないかどうかを調べるといった研究です。

ちなみに、この時、
「模擬ミルク」として、使われるのは、
「50%エタノール」だとのことです。

「50%のエタノール」を使って実験を行うと、
「ミルクに含まれる脂肪」を再現できるという化学的な根拠があるようですね。


そして、
この実験の結果、PPSUの哺乳瓶からは、
残念ながら、
「ビスフェノールS(BPS)」と
「4,4′-ジヒドロキシビフェニル(DHBP)」は、
ミルクの中に溶け出してしまうことが判明しました。

正直、なかなか厳しい条件での実験だという印象は受けますので、
実際のミルクで使用した時に、
どれだけの「BPS」や「DHBP」が溶け出すのかは、
少々疑問なところです。


ただ、ここで、
「BPS」や「DHBP」がミルクに溶け出すのは、
ごく少量なので、
大した影響はないのではないか、
という意見もあることでしょう。

しかし、「内分泌かく乱物質」には、
ほんの微量でも、人体に悪い影響を与えるかもしれないという
「低用量問題」があるのも事実なのです。

そのため、私は、
「PPSUは無害ではない」と考えているのです。

残念ながら、
「内分泌かく乱物質」の研究は、
まだしっかりと進んでいるわけではありません。

ですので、
「そんなうさん臭い話は信じられない!」
と思われるかもしれませんね。

いずれにせよ、
一番重要なのは、
あなたが新しい知識を得て、情報を集めた上で自分で判断することです。

あなたやあなたの子どもの健康について、
代わりに責任を取ってくれる人はどこにもいないのですから。

PPSUの哺乳瓶を電子レンジに入れるのはよくないかも

ここからは、補足情報です。

哺乳瓶を電子レンジに入れて、
消毒をするという方法があります。

PPSUの哺乳瓶については、
実は、これは、あまり推奨できない、
と私は考えています。

これは、PPSUに限ったことではないのですが、
プラスチックは、電子レンジで加熱すると、
目には見えないレベルで劣化が進んでしまいます。

「劣化が進みやすくなる」というのは、
「成分が分解しやすくなる」ことを意味します。

「PPSUが分解する」ということは、
「内分泌かく乱物質」である「BPS」や「DHBP」がミルクの中に、
溶け出しやすくなるということにつながります。

つまり、
PPSUを電子レンジで加熱することは、
赤ちゃんが「内分泌かく乱物質」に
さらされるリスクが高くなるということにつながるわけです。

確かに、
PPSUは、プラスチックの中では、
耐熱性が高いという特徴を持っています。

しかし、
劣化しないプラスチックは、
存在しませんので、やはり過信は禁物です。

結局、PPSUの哺乳瓶って使っても大丈夫なの?

今回は、
「PPSUの哺乳瓶」について取り上げました。

結論としては、
「PPSUには、毒性はないが、無害とは断定できない」
ということになるかと思います。

PPSUの使用の判断については、
あなたが「内分泌かく乱物質」を
どのように認識するかによって、
変わってくることになります。

ただ、事実として、
実験の結果、
「PPSU」からは、
「内分泌かく乱物質」である「BPS」と「DHBP」が模擬ミルクの中に溶け出す、
ということは、すでに判明しています。

電子レンジで消毒を続けていれば、
これらが溶け出す量は、
どんどん増えていくことも簡単に推察できます。

おそらく、子育てを控えているあなたを
少し怖がらせるような記事になってしまったことには、
申し訳ない気持ちもあります。

しかし、
一部のブログや企業のホームページを見てみると
事実を誤認させるような情報も散見されます。

この記事の話は、
決して耳ざわりのいい話ではありませんが、
一つの事実として、
あなたの判断材料に加えてもらえれば何よりです。

新しい命をみんなで守っていければいいですね。

ところで、
あなたは子どものおやつとして、
レーズンをお考えではありませんか?

これについても、
実は、注意が必要です。

あわせて、↓の関連記事をご覧いただければと思います。