食品を保存するのには、
便利な「ラップ」・・・
レトルト食品なんかには、
「電子レンジで温める時は、ラップをしてください」
的な文言が見受けられます。
いや、しかし、
なんだかんだで、もったいないし、
できれば、ラップなんてしたくない・・・
そうは思いませんか？
それ、わりと正解だと思います。
ラップを温めすぎると、
ふにゃふにゃに溶けちゃうことってないですか？
実は、あれ、
けっこう危険なんです！
そして、
「ラップ」と一口にいっても、
実は、いくつか種類があります。
その辺りの違いも
気になるところですよね。
というわけで、
今回は、
「ラップは電子レンジで温めてはいけないのか」
についてみていきましょう。
ラップは電子レンジで温めない方がいい
さっそく、結論です。
「ラップは電子レンジで温めない方がいい」
というのが、今回の結論です。
そして、
ラップには、いくつか種類がありますが、
「ラップの種類によっても有害性が異なる」
これも、今回の結論とさせていただこうと思います。
ラップは、
種類によって、そんなに見た目は、
変わりませんよね。
しかし、実は、
「化学的な構造」は、まったく異なるのです。
ということは、
その「有害性」も異なるわけです。
それではくわしく見ていきましょう。
ラップは、大きく分けて５種類ある
「ラップの有害性」の話に入る前に、
「ラップが何でできているのか」という話が
必要になるかと思います。
たいていのラップは、
透明で薄っぺらで、
その見た目はそんなに変わりませんよね。
しかし、化学的な構造は、
けっこう違います。
ラップには、大きく分けて、
以下の５つの種類があります。
・ポリ塩化ビニリデン
例えば・・・サランラップ、クレラップなど
・ポリ塩化ビニル
例えば・・・オカモトラップ、日立ラップなど
・ポリエチレン
例えば・・・ポリラップなど
・ポリメチルペンテン
例えば・・・フォーラップなど
・その他のポリオレフィン
例えば・・・ダイアラップエコぴたっ!など
よくテレビCMで見かけるのは、
「ポリ塩化ビニリデン系」のラップっぽいですね。
消費者である我々は、
何も情報がなければ、
まず、めざとく「値段」を見ますよね。
なので、
黙っていれば、
消費者は、みんな価格の安い「ポリラップ」に
流れていくでしょう。
そこで、
「価格」面で不利な「クレラップ」は
「使いやすさ」をテレビCMで訴えることで、
消費者を呼び込んでいる・・・
そんなところでしょうか？
もっともらしく、分析をしてみました(笑)
ただ、いずれのラップも、
「値段」や「特性」などが異なるので、
うまく使い分ける必要があるというわけですね。
そして、
その「有害性」も異なるというわけです・・・
というわけで、
今回は、
「電子レンジ加熱」と「有害性」の観点から、
ラップたちを見ていきましょう。
電子レンジでラップを温めれば化学物質が溶け出す！？
まず、
「電子レンジでラップを温めること」が、
なぜ、よくないのでしょうか。
それは、
「電子レンジでラップを温めること」によって、
「ラップから化学物質が溶け出すから」ですね。
あなたが、
ポリエチレン系の「ポリラップ」なんかを使っていたとしたら、
電子レンジで温めた時に、ちょっと溶かしちゃったこと、
あるんじゃないでしょうか。
ポリエチレン系のラップは、
耐熱温度が１１０℃くらい、と低めですので。
しかし、
他の種類のラップであれば、
いやいや、そんなドロドロになるまでは、
温めてないよ！？
と思いますよね。
残念ながら、実は、
ミクロな視点では、種類を問わず、
電子レンジで温めたラップからは、
じわじわと化学物質が溶け出しているのです。
見た目が溶けているかどうかは、
そんなに重要ではないのですね。
つまり、
問題は、「溶け出した化学物質」が
「有害か、有害でないか」という話になるわけです。
もしかしたら、
あなたが、なんとなーく適当に選んだラップは、
あなたとあなたの家族の運命を
変えてしまうかもしれないのです。
今回は、そういった大事な話になります！
というわけで、
電子レンジで温めた時に、
「ラップから溶け出す化学物質」についての話に
移っていきましょう。
有害そうなラップは、ポリ塩化ビニリデンとポリ塩化ビニル！？
ここまでの話で、
「ラップには５種類あって有害性も違いそう」
「電子レンジを使うと、化学物質が溶け出す」
ということがわかってきましたね。
ここまでの話がきちんと伝わっていれば、
次に気になるのは、
「有害そうな化学物質を含んでいるのは、どの種類のラップなの？」
ということではないでしょうか。
ということで、
話の核心に迫っていきましょう。
特に「有害な化学物質を含んでいそうなラップ」は、
↓の２種類です。
・ポリ塩化ビニリデン
・ポリ塩化ビニル
「含んでいそう」という表現を使っているのは、
残念ながら、
「まだ明確には有害性が証明されていないから」です。
企業は、自社の製品が政府に規制されるたびに
少しだけ化学構造を変えた「新しい化学物質」を
次から次へと創り出しています。
「新しい化学物質」が創り出されるときには、
最低限の安全性がテストされるわけですが、
「無害であること」が確認されるわけではありません。
そこで、
「新しい化学物質」に対して、
専門家が研究に研究を重ねて、
「有害性」を調査します。
そして、ようやく、
その製品が規制される頃には、
また次の「新しい化学物質」が誕生してしまっているわけです。
つまり、今回、
その「新しい化学物質」に当てはまるのが、
「ポリ塩化ビニリデンとポリ塩化ビニル含まれる化学物質」
ということになるのです。
このようにして、お店には、
「有害な化学物質を含んでいそうな」商品が
たくさん並んでいるのです。
残念ながら、そういった商品たちは、
「安全だから」お店で売られているわけではないのですね。
「明確な有害性」が確認されていないから、
お店に並び続けているだけなのです。
悲しい話ですが、
結局のところ、たいていの企業には、
自社の利益以外のことを考えている余裕はないのです。
悲しい話をしたところで、
「ポリ塩化ビニリデン」と「ポリ塩化ビニル」のラップは、
「どんな有害な化学物質を含んでいそうなのか」
というところについて、
みていきましょう。
ポリ塩化ビニリデンとポリ塩化ビニルには可塑剤が含まれる！？
さて、それでは、
「ポリ塩化ビニリデンとポリ塩化ビニルのラップに、
含まれている化学物質の正体は何なのか？」
というところについて、見ていきましょう。
「ポリ塩化ビニリデン」と「ポリ塩化ビニル」のラップに
含まれる化学物質の正体は、
「可塑剤」という添加剤です。
「可塑剤」は、基本的に、
「ポリエチレン」や「ポリメチルペンテン」などのラップには、
含まれていません。
というのも、
「ポリエチレン」や「ポリメチルペンテン」のラップは、
「炭素（C）」と「水素（H）」だけで構成されています。
それに対して、
「ポリ塩化ビニリデン」と「ポリ塩化ビニル」には、
「塩素（Cl）」という元素が含まれているんですね。
この「塩素(Cl)」の存在が、
ラップの扱いやすさを高める役割をしているわけです。
しかし、
本来、「塩素(Cl)」の入ったプラスチックは、
カチカチに硬くて、取り扱いがむずかしいはずなのです。
そこで、
その「塩素(Cl)」の入ったプラスチックを
柔らかくして、取り扱いやすくするのが、
「可塑剤」というわけです。
そして、
どうやら、この「可塑剤」が、
有害である可能性が高いという話になります。
具体的に、
「可塑剤」はどんな化学物質かというと、
食品安全委員会の季刊誌を見てみましょう。
「ポリ塩化ビニル」には、
・アジピン酸ジイソノニル（DINA）
・アジピン酸ジ-n-オクチル（DNOA）
・アジピン酸ジ-（2-エチルヘキシル）（DEHA）
という「可塑剤」が含まれているようですね。
そして、
「ポリ塩化ビニリデン」には、
・アセチルクエン酸トリブチル（ATBC）
・ジアセチルラウロイルグリセロール（DALG）
・セバシン酸ジブチル（DBS）
という「可塑剤」が含まれているようです。
これらの「可塑剤」については、
「内分泌かく乱性」があることが疑われています。
例えば、
「DEHA」については、
性ホルモンに悪い影響を与える可能性が指摘されています。
他にも、
「ATBC」については、
マウスの研究で、少なくとも卵巣に悪い影響を与える可能性が
あることも指摘されています。
「内分泌かく乱物質」、
本当に怖いですよね・・・
「内分泌かく乱物質」について、よく知らない！
という方は、↓の関連記事にぜひ、目を通しておいてください。
ポリエチレンやポリメチルペンテンは無害なの！？
では、
「ポリエチレン」や「ポリメチルペンテン」「その他のポリオレフィン」
のラップは、「無害」と考えてよいのでしょうか？
残念ながら、
これらのラップも無害と言い切ってよいかは
わかりません。
プラスチックが作られる時に
使われる添加剤は、
「可塑剤」だけではないからです。
例えば、
「ポリエチレン」や「ポリメチルペンテン」のラップは、
「可塑剤」を使用せずに扱える代わりに、
紫外線に弱いという弱点を持っています。
なので
紫外線による劣化を防ぐために
「UV安定剤」のような添加剤が混ぜられることが
多くあります。
ただし、
これらのラップを作る時に、
「UV安定剤」が使われているかどうかは、
各メーカーに問い合わせてみないとわかりません。
そして、
残念ながら、基本的に
「UV安定剤」についても、
「内分泌かく乱性」を有すると
考えておいて間違いはないでしょう。
北海道医療大学の研究では、
実際に、ポリエチレン製の商品を小売店で調達して
調査がおこなわれています。
報告では、
ポリエチレン製の商品から、
溶け出した「UV安定剤」の「内分泌かく乱性」について、
記されています。
「内分泌かく乱物質」についてよく知らないよ！
という方は、↓の関連記事にぜひ、目を通しておいてください。
大事な話なので２回目です(笑)
というわけで、
「ポリエチレン」や「ポリメチルペンテン」などの
ラップについても、
残念ながら、無害とは言い切れないわけですね。
どうしても、お料理に
ラップをかけて電子レンジで温めたいときは、
最低限、食品にラップが触れないように
注意してから、温めるようにしましょう。
それでも、
・お皿のふちに化学物質がついてしまったり、
・ラップが溶けて、食べ物の中に入ってしまったり、
・ラップについた水滴が落ちてしまったり、
ということはあると思います。
なので、
基本的には、
「電子レンジには、ラップなしが正解」
だと、私は思っています。
ラップなしより、磁器のフタなんてどうでしょう？
さて、さて、
「ラップは電子レンジで温めるな！」
とはいったものの、
レトルト食品を本当にラップをせずに温めると、
乾燥してカピカピになったり・・・
タレ状の物が飛び散ったり・・・
何かと問題がありますよ。
そこで、
私からのおすすめは、
「磁気のフタ」を使うという選択肢です。
陶器と違って、
「磁器」であれば、
吸水性もないので、
くり返し電子レンジで温めても
ある日、突然パカリッと割れる心配もありません。
というわけで、
有害な化学物質から、身を守るために、
「ラップのフタ」をやめて、
「磁器のフタ」を使うというのはどうでしょう。
「ラップ」は、消耗品ですが、
「磁器」は、割れなければ、ずっと使えます。
長く使うならば、
コストの面や環境配慮の面からも、
「磁器」を使う方が、断然、賢いでしょう。
ラップは温めない方がよさそうです
さて、今回は
「ラップは電子レンジで温めてはいけないのか」
について見てきました。
残念ながら、
ラップには、
「有害な可能性が高い化学物質」、
すなわち「可塑剤」や「UV安定剤」が、
含まれています。
そして、
電子レンジで温めれば、
その「化学物質たち」が
溶け出してきてしまいます。
「可塑剤」や「UV安定剤」は、
「内分泌かく乱性」を有している
可能性が非常に高いです。
「内分泌かく乱物質」については、
規制が追い付いていないので、
自分自身で身を守る必要があります。
昨今では、確かに
すべての「内分泌かく乱物質」を
避けることはむずかしい状況です。
しかし、
少しずつでよいので、
身を守るための努力をすることが
あなたとあなたの家族の未来を変えることになるはずです。
そして、
みんなの意識が変われば、
企業も「内分泌かく乱物質」に対する姿勢を
変えざるを得なくなります。
そうやって、
少しずつ世の中がよい方向に
向かっていけばいいな、と思いますよね。