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ベトナム産のエビの安全性ってどうなの?注意すべき5つの理由

その食品、安全性は?

私の通うスーパーでは、
国産のエビをあまり取り扱っていないようです。

そして、よく見かけるのは、
「ベトナム産のエビ」・・・。

実は、ベトナムもエビの輸出国としては、
わりと有名な国なのです。

しかしながら、
ベトナムは、新興国のイメージがまだまだ強い国ですし、
食品の安全性も気になるところではありませんか?

今回は、
「ベトナム産のエビの安全性」について、
取り上げます。

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ベトナム産のエビには注意点がある!?

今回の結論は、
「ベトナム産のエビには注意が必要」
です。

インド産のエビと同様に、
ベトナム産のエビにも、
品質に怪しい点があるようです。
(関連記事:インド産のエビの安全性は?避けるべき4つの理由

もちろん、
怪しい品質の商品が、
日本に入ろうとしてきた時には、
輸入検査が行われ、
結果次第では輸入が拒否されます。

しかし、
違反品目が輸入検査で見過ごされるリスクも
ゼロではないのです。

なんといっても
「輸入品の91.2%は無検査で輸入される」
という指摘もあるからです。
(参考:食の安全 91%が無検査輸入

そのため、
消費者である我々は、
日頃、食べる商品をしっかりと見定め、
選び取らなければならないわけです。

ベトナム産のエビを避けるべき5つの理由

ベトナム産のエビは細菌汚染されている!?

まずは、
ベトナム産のエビの細菌汚染について、
見ておきましょう。

非営利消費者団体『Consumer Reports』の
2015年のレポートによれば、
ベトナム産の養殖エビのサンプルの58%で、
細菌の陽性反応が出たこと
が報告されています。
(参考:How safe is your shrimp?

この数値は、
バングラデシュ産の83%や、
インド産のエビの74%よりは、
やや少ない検出率ではあります。

しかしながら、
50%を上回っていることから、
ベトナム産のエビを、2回食べれば、1回は、
細菌が検出された商品に当たると考えることもできます。

そう考えれば、
ベトナム産のエビは、
細菌で汚染されている可能性が高いということもできるでしょう。

ベトナム産のエビを食べる時は、
しっかりと加熱した方がよさそうですね。

ベトナム産のエビの抗生物質の使い方にもやや注意が必要!?

次は、
ベトナム産のエビを育てる時の
「抗生物質の使い方」について、
見ておきましょう。

「ベトナム産のエビの抗生物質の使い方」については、
2021年の比較的新しいレポートがありますので、
こちらを参考にしてみましょう。
(参考:Antibiotics use in fish and shrimp farms in Vietnam)

まず、
養殖業者が抗生物質を使う時には、
以下の2つの用途があります。

抗生物質の用途:
・病気を治すため
・成長を早めるため

あなたも、ご存じの通り、
抗生物質とは、「病気を治すため」に使われるものです。
これは、正しい使い方ですね。

一方で、
抗生物質は、使い方によっては、
動物たちの「成長を早めること」もできるのです。
こちらは悪い使い方とされています。

ベトナムでは、2018年1月に、
「成長を早めるため」に、
抗生物質を使用することは、
禁止されました。

調査の結果においても、
参考レポート内で調査された地域では、
「成長を早めるために抗生物質を使用した養殖場はなかった」
と報告されています。

抗生物質は、使い方を間違えれば、
私たちを病気にしてしまうことにもつながるために非常に危険なのです。
(関連記事:牛肉や豚肉、魚の抗生物質は、どれだけ体に悪いの?身を守るには?

レポートの内容をもう少し深堀りしておきましょう。

調査された地域の養殖業者の53%が
抗生物質を使う時には、
しっかりと専門家に相談をおこなったとしています。

しかし、
その内の6%の養殖業者は、専門家の助言よりも、
多い量の抗生物質をエビに投与したとも報告されています。

少し解釈に困る割合ではありますが、
ベトナムのエビ養殖業界では、
ある程度、秩序が保たれている状態だと、
受け止めてもよさそうにも思われます。

しかし、
レポートの中で注目すべきは、
調査された地域の内、1つのエビの養殖業者で、
禁止された「エンロフロキサシン」という抗生薬が、
使われていたことです。

「エンロフロキサシン」は、
耐性菌を発生させやすい抗生物質として注意が必要なようです。
(参考:Comparative Studies of Antimicrobial Resistance in Escherichia coliSalmonella, and Campylobacter Isolates from Broiler Chickens with and without Use of Enrofloxacin

耐性菌を有する食べ物を食べて、
引き起こされた感染症は、薬で治すことが困難です。

その上、万が一、
その耐性菌の感染症が、
他の人に感染を広げてしまえば、
それは恐ろしいパンデミックの始まりです。

耐性菌とは、
それほどに恐ろしいものなのです。

ベトナムの養殖業者の中には、
そういったリスクをきちんと理解しない業者もあることを
考えれば、少し心配な気もしますよね。

ベトナムは、抗生物質の使用量が多い!?

「ベトナムの抗生物質の使い方」について、
もう少しデータを増やしておきましょう。

2020年のベトナムの肉生産1kg当たりの抗生物質の使用量は、
「124mg」とされています。
(参考:Antibiotic usage in livestock, 2020

日本の「63mg」と、比べると、
2倍の使用量ということになります。

抗生物質の使用量が多ければ、
「耐性菌のリスク」も、高まることになります。

耐性菌の発生を防ぐため、
抗生物質の使用目標は
50mgとされていますので、
ベトナムは、やはり、抗生物質を使いすぎていると言えるでしょう。

ベトナム産のエビ、化学物質汚染の可能性も!?

ベトナム産のエビには、
化学物質汚染の心配もあるようです。
(参考:Fish not entirely safe to eat in central Vietnam: health ministry

2016年の少し昔の話にはなりますが、
ベトナムで大量の魚の死がいが海岸に打ち上げられる事象が発生しました。

原因は、
化学メーカーが起こした環境災害で、
有害物質を廃水として海に流されてしまったようです。

この事件を受け、
政府が水産物を調査したところ、
エビ、カニ、イカ、エイなどのサンプルが、
「フェノール」と呼ばれる有害化学物質に汚染されていた、と報告されています。

化学物質は、
環境中に残りやすい性質を持つものも多いのです。

この環境災害からは、
だいぶ時間がたっていますが、
完全に環境が浄化されているかどうかは、
気になるところではありますね。

ベトナムの食品安全は、世界ではまずまずのレベル!?

さて、次は、
世界から見た場合の
ベトナムの食品の安全性を見ておきましょう。

参考にするのは、
2022年のGFSIです。
(参考:Global Food Security Index 2022

GFSI(Global Food Security Index)とは、
イギリスのメディア企業である『エコノミスト』が、
作成する世界各国の「食料安全に関する指標」です。

ベトナムのスコアを見てみましょう。

どうやら、ベトナムの食品安全は、
世界的に見て、取り立てて高くも低くもないレベルのようです。

ベトナムの「Food Safety Mechanisms」のスコアは、
80.0/100となっています。

世界平均のスコアである「68.7/100」から見れば、
高い方ではあります。

一方で、日本を始めとした、
先進諸国のスコアである「100.0/100」からすれば、
少し低いようにも感じられますね。

「Food Safety Mechanisms」は、
食品の安全についての仕組みが採点されています。

具体的には、
法律やガイドライン、食品の検査能力などが
どの程度、整っているかをあらわしたスコアです。

ですので、
ベトナムの食品の安全性は、
世界から見れば、まずまずといったレベルかと思います。

生粋の先進国民である・日本人からすれば、
ベトナムの食品の品質管理では、
安心できないと感じられる人もいるかもしれませんね。

結局、ベトナム産のエビの安全性ってどうなの?

今回は、
「ベトナム産のエビの安全性」について、
見てきました。

ベトナム産のエビを注意すべき理由として、
以下の4つが挙げられました。

・細菌汚染のリスク
・養殖業者の抗生物質の使い方への意識の低さ
・抗生物質の使用量の多さ
・ベトナム食品の品質管理レベル

ベトナム産のエビは、
インドやバングラデシュ産のエビと比べると、
細菌の陽性率が低いようでした。

しかし、
十分なレベルとは、言いがたいようにも感じられます。

また、
ベトナムのエビの養殖業者の抗生物質のリスクへの認識が、
十分ではない可能性も挙げられました。

注意が必要なレベルではありますが、
インドの輸出大国であるインド産のエビと比べると、
品質は高いのではないかと考えられます。

2023年の時点で、
ベトナムのエビは、
インドのエビよりも30%程、高いようですが・・・
(参考:Shrimp industry lost VND 10,000 billion due to reliance on antibiotics

とりあえず、
個人的な意見としては、
インド産とベトナム産のエビが並んでいたら、
少し高くとも「ベトナム産を選ぶ」かな、といったところでしょうか。

あなたの賢い食材選びの参考になればうれしいです。