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映画『プラットフォーム』のココが気持ち悪い!?奥深く面白い秀作

楽しかったモノ・コト

今回は、
映画『プラットフォーム』のレビューです。

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映画『プラットフォーム』は気持ち悪い!?

本作の感想を一言で表すと、
久々にとんでもない作品を引いてしまったなぁ
といったところでしょうか。

残念ながら、
本作は、全く持って、愉快で楽しい作品ではありませんが、
奥深く、とても面白い作品です。

しかしながら、本作は、
その奥深さを表現するために、
世界観がとにかく気持ち悪いのです。

そして、
描写が不衛生で、その辺りが、
さらに気持ち悪さを際立たせています。

映画『プラットフォーム』のココが気持ち悪い!?

世界感がとにかく気持ち悪い!?

本作の気持ち悪いところと言えば、
やはり、その世界観です。

本作の舞台である「タワー」は、
作中で、断片的な情報は与えられるものの、
その全容はよくわからず、
始終、気味の悪い雰囲気が漂っています。

しかし、
その”全容のわからなさ”が、
とてもミステリアスに感じられ、
本作の魅力をうまく引き出しています。

残念ながら、
「タワー」の詳細については、
作中で、きちんと名言されるわけではありません。

察するに、「タワー」は、
”再教育施設”といったところなのでしょうか?

「タワー」の中で、
与えられる食事は、
上の階層の者たちの”食べ残し”のみです。

つまり、
上の階層の者たちの配慮がなければ、
下の階層に行けば行くほど、
食べ物はどんどん少なくなっていくことになります。

そんな環境を創り出し、
無法者たちに対し、
いろいろな立場(階層)を経験させることで、
強制的に倫理感を芽生えさせる荒療治が行われているのかもしれません。

そう考えると、
この世界は、とても気持ち悪いディストピアです。

描写が不衛生が不衛生で気持ち悪い!?

そして、
本作の特徴は、
「描写が不衛生で気持ち悪い」ところでしょうか。

”人の食べ残しを食べなければならない”という状況は
想像するだけで、すでにかなり気持ち悪く感じます。

排泄物を、
下層に落とそうとするなどの描写なども、
気持ち悪く、かなりグロテスクです。

この不衛生さが、
本作の世界観の気持ち悪さを際立たせ、
作品を面白くしているとも言えます。

表現された資本主義社会が気持ち悪い!?

そして、
本作の最も気持ち悪いところは、
「社会の縮図がド直球で表現されているところ」です。

本作の「タワー」には、
まさに「資本主義社会の縮図」が描かれています。

日本という国は、
「タワー」の階層に例えれば、
2層や3層に位置すると考えるのがいいところでしょう。

そして、
世界のどこかに目を向ければ、
もちろん、「タワー」の下層に位置する人々がいるのも事実です。

恵まれた日本に住む私は、
そのことについて、
結局は、見て見ぬふりをしながら、生きているのだと
本作を観た時に改めて気づかされました。

そこに、改めて目を向けた時、
やはり、どこか後ろめたさを感じてしまう自分もいました。

とどのつまり、我々は、
自身の生まれの幸運を良いことに、
自覚の有無を問わず、
貧困を弱者に押し付けてしまっているのです。

実は、私は、本作を観た時に、
そんな非難をつきつけられているような気分になり、
何とも言えない後味の悪さを感じました。

この後味の悪さが、
とても気持ち悪く感じられました。

映画『プラットフォーム』をおすすめできる人、できない人

本作をおすすめできる人

・社会風刺的な作品が好きな人
・映画から学びを得たい人

本作をおすすめできない人

・スカッとする映画が見たい人
・汚い描写がNGの人

映画『プラットフォーム』の作品情報

映画『プラットフォーム』の基本情報

  • 監督:ガルデル・ガステル=ウルティア
  • 製作:カルロス・フアレス
  • 脚本:ダビド・デソーラ ペドロ・リベロ
  • 製作国:スペイン
  • 公開:2019年11月8日
  • 上映時間:94分
  • 次回作情報:Netflixにて、2024年10月4日配信予定(日本での配信は未定)

映画『プラットフォーム』のキャスティング

  • Goreng:イバン・マサゲ
  • Imoguiri:アントニア・サン・フアン
  • Trimagasi:ゾリオン・エギレオール
  • Baharat:エミリオ・ブワレ
  • Miharu:アレクサンドラ・マサンカイ