コンビニやスーパーのカット野菜って体に悪いの?

その食品、安全性は?

何かと忙しい現代社会。

毎日、栄養バランスを考えながら、
自炊をするのって大変ですよね。

しかし、
健康に長生きがしたいなら、
しっかりと野菜も採りたいところです。

ちなみに、
野菜を取らないと、どうなるかは、
↓の関連記事でも、ふれています。

そんな時に便利なのが、
スーパーやコンビニで売られている
「カット野菜」ですよね。

袋から、サッと出すだけで、
シャキシャキの野菜が、
低価格で召し上がれます。


しかし、
ここで冷静になって考えてみましょう。

こんなに便利で低価格な『カット野菜』。

「何か落とし穴があるのでは!?」

と勘ぐってしまいますよね。

食べ続けるにしても、
何かリスクがあるのならば
知っておきたいところです。


というわけで、
今回は、
「カット野菜は体に悪いのか」
について、
取り上げたいと思います。

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加工されているが「カット野菜」は体に悪くない

まずは、結論からです。

どうやら、「カット野菜」が
工場で作られるまでの間には、
少々、加工がなされているようです。

「加工されている=体に悪い」という
イメージは、確かにありますよね。

少し工場を思わせるような「えぐみ」が
ある気もするような、しないような・・・

しかし、
「カット野菜は体に悪い!」
と自信を持って言えるほどの
客観的なデータや情報を
私は、見つけることはできませんでした。

ということで、
ここからは、
「カット野菜にはどんな加工がなされているのか」
「その加工は体に悪くないのか」
について見ていきましょう。

カット野菜はどんな風に製造される?

まずは、
「工場でカット野菜がどのように製造されているのか」
について、
大まかにみてみましょう。

まずは、イメージがわかせるために、動画を見てからです。

イメージがわいたところで、
最近のカゴメ株式会社の特許を参考にしてみると、

殺菌

千切り

水晒し

脱水

充填

といった手順で
カット野菜が製造されていることがわかります。

くわしく見ていくと、
まず、
殺菌剤でお野菜を「殺菌」します。

その後、
「千切り」をした後に行われる
「水晒し」で、
殺菌剤が除去されるとのことです。

そして、
「脱水」が行われ、
最後に「充填」が行われるようですね。

野菜を「充填」する時に、
一緒に窒素を入れるとよい、
ということも記されています。

やはり、工程を見て、
まず、気になるのは、
「殺菌」工程でしょうか。

危険な薬剤の香りがしてきそうです(笑)

野菜の殺菌に使われる「次亜塩素酸ナトリウム」

厚生労働省は、
大量調理施設衛生管理マニュアル」を通じて、
業者さんたちの食品の加工について、
いろいろと「お願い」をしています。

このマニュアルによれば、
カット野菜は、
『次亜塩素酸ナトリウム』という薬剤を
使って、殺菌されるようです。

まずは、
『次亜塩素酸ナトリウム』について、
見ていきましょう。

次亜塩素酸ナトリウムは体に悪い?

では、
その『次亜塩素酸ナトリウム』が、
使われているから、
「カット野菜は体に悪いのか!?」
というと、そういうわけでもないようです。

確かに、
『次亜塩素酸ナトリウム』自体は、
殺菌に使われる薬剤なので、
「体に悪くない」と言えば嘘になります。

具体的には、
皮ふに強い刺激をあたえたり、
喘息を引き起こしたり
、と
なかなか危ない薬剤ではあるようです。

キッチンハイターなんかにも含まれていますが、
手についてしまうと
ビリビリと痛みを感じます。

しかし、
野菜の洗浄の時に使う
『次亜塩素酸ナトリウム』は、
何百倍にも薄められています。

いくつかカット野菜の製造方法の特許
見てみましたが、
濃度にして、
0.01%くらいまで
薄められることが多いようです。

なので、
「危険はない」という話に
落ち着くわけですね。

ちなみに、
『次亜塩素酸ナトリウム』は、
水道水の中にも、
わずかに含まれています。

ですので、
『次亜塩素酸ナトリウム』が
使われていることをもって、
「カット野菜は体に悪い」というならば、
水道水にも注意が必要だということになりますね。

過剰な心配をするのは
やめておいた方が
精神衛生的にも、いいかもしれません。

次亜塩素酸ナトリウム、どれだけ摂取してもいい?

少し難しい話になりますが、
『次亜塩素酸ナトリウム』は
どれだけ摂取しても大丈夫なのか
というところまで確認しておきましょう。

『次亜塩素酸ナトリウム』の一日に摂取してもいい量は、
0.15mg/体重kgと決められています。

つまり、
体重60kgの方ならば、
1日に9mgを摂取してしまっても
大丈夫というわけです。

仮に、水質基準を少し上回って、
水道水に『次亜塩素酸ナトリウム』が
分解されることなく、1mg/Lの濃度で
残ってしまっていたとしましょう。

それでも、
水道水を9リットル以上、
毎日、がぶ飲みしなければ、
健康に悪い影響ない
と考えていいということです。

ちなみに
一日に飲む理想の水の量は、
3リットルくらいだそうですね。

もし、
毎日、20リットル近く
水道水を飲む人がいたら、
少し注意した方がいいかもしれません(笑)

次亜塩素酸ナトリウムのせいで、カット野菜には栄養がない?

では、次に
『次亜塩素酸ナトリウム』で
カット野菜が洗浄されることには、
何か問題があるのか、
見ておきましょう。

一つ問題が挙げられるとすれば、
「ビタミンCが破壊される」ことでしょうか。

『次亜塩素酸ナトリウム』は、
「アルカリ性」の薬剤です。

そして、
ビタミンCは、
アルカリ性になると、
ものすごく簡単に壊れてしまうのです。

ですので、
『次亜塩素酸ナトリウム』で洗われた
カット野菜には、
ちゃんとしたビタミンCが
ほとんど残されていない可能性が高いわけです。

しかし、
我々は、ビタミンCを採るためだけに
カット野菜を食べるわけではありませんよね。

例えば、
たいていのカット野菜の
主成分ともいえる「キャベツ」には、
ビタミンCの他にも、
「ミネラル」や「食物繊維」といった
様々な栄養素が含まれます。

つまり、
ビタミンCが抜けてしまったからと言って、
「カット野菜に栄養がない」
と心配する必要はないわけですね。

そんなことまでを心配し始めたら、
「茹でた野菜や揚げた野菜にも栄養がない」
と、さらに変な心配しなければ
ならなくなってしまいます。


ちなみに、
セブンイレブンのHPによれば、
最近は、
「次亜塩素酸ナトリウム」の代わりに、
「微酸性電解水」と呼ばれる液体で
野菜を洗うことも多いようです。

「微酸性電解水」は、
「アルカリ性」ではなく、
文字通り「酸性」の液体です。

なので、
野菜を洗う工程で、
ビタミンCが壊されることはなさそうです。

しかし、
ビタミンCのもう一つの特徴に
「水に溶けやすい」というものがあります。

水でしっかりと洗われてしまった
カット野菜のビタミンCの一部は、
水の中に溶けだしてしまっていそうですね。

もはや、
ビタミンCは、
別の食べ物や飲み物から
採ることを考えた方ががいいのかもしれませんね。

ちなみに、私のおすすめは、
果汁100%ジュースです。
くわしくは↓の関連記事をどうぞ。

品質を安定にするための「pH調整剤」

カット野菜のラベルの表示を見ていると、
『pH調整剤』と書かれているものもあるようです。

↑の工程表には、
そのような工程は記されていませんでしたが、
『pH調整剤』についても見ておきましょう。

pH調整剤って、具体的には・・・?

『pH調整剤』・・・

「具体名をバラしてはいけない理由でもあるのか!?」
と心配したくなりますよね。

確かに食品のラベルには、
含まれている成分について、
「物質名」を記すのが原則です。

しかし、
すでに食品の中に入っていそうな成分なんかは、
例外として、
『pH調整剤』のように、「一括名」だけを
記せばいいというルール
もあるのです。

他にも、
『酸味料』や『香料』なんかも
同じように扱われています。

別に後ろめたいことがあるから、
特定の物質の名前を
隠しているわけではないということですね。

ただ、
使われている物の具体名がわからないというのは、
なんだか気持ち悪いですね・・・

やはり、気になる方は、
『pH調整剤』の入っていない商品を
選ぶのがよいのではないかと思います。
私は少し気になる派です(笑)

ちなみに、
カット野菜に使われる
『pH調整剤』としては、
「クエン酸」や「リンゴ酸」なんかが
多いようです。

pH調整剤は、体に悪くないのか?

では、
『pH調整剤』は、体に悪くはないのか
について確認しておきましょう。

情報を整理すると、
食品ラベルに『一括名』を記せるのは、
pH調整剤が
「すでに食品に入っていそうな成分である」
ということになるからでしょう。

カット野菜によく使われる
pH調整剤で考えてみると・・・

クエン酸であれば、レモンに、
リンゴ酸であれば、リンゴに、

という具合に、
果物に含まれているわけですね。

おおむね危険はなさそうだと
考えられそうですね。

着色料の心配はなさそう

カット野菜には、
おいしく見えるように
こっそり「着色料」が使われているのでは!?

と思っている方もいるかもしれませんね。

どうやら、その心配はなさそうです。

東京都保険福祉局のトピック」を引用しますと、

「鮮魚介類や食肉、野菜類に着色料を使用することは禁じられています。
 これら生鮮食品等に着色料を使用することは、
 その品質、鮮度等に関して消費者の判断を誤らせるおそれがあり、
 添加物本来の目的に反するからです。」

とされています。

つまり、
ルールが守られている限り、
カット野菜に着色料が
使われることはないということですね。

カット野菜は体に悪いのか?

今回は、
「カット野菜は体に悪いのか」について、
見てきました。

カット野菜の
大まかな製造の工程も見てみましたが、
思ったより、加工されている感は
少なかったように思います。

しかし、やはり少し気になるのは、
「殺菌」工程でしょうか。

とりあえず、
カット野菜の
『次亜塩素酸ナトリウム』に
大きな危険はなさそうです。

ただし、
化学的に形が似ている
『亜塩素酸ナトリウム』には、
ラットの実験で「内分泌かく乱性」が
心配されている一面もあります。

個人的に、
この報告は、少し気になっています。

「内分泌かく乱性」については、
↓の関連記事にまとめています。
妊婦さんやお子さんは特に気を付けましょう!

個人的に、小さな懸念は残るものの、
ひとまず、
現代の疫学の常識に当てはめれば、
「カット野菜は体に悪くない」
と考えて差し支えは、なさそうです。

残留農薬との兼ね合いなどもあるかと思いますが、
野菜は、
食べないよりは、
食べた方がいいのは、
間違いないようです。

「自炊が大変だ!」
という方も多いと思います。

忙しい時は、
カット野菜に逃げてしまっても
いいのではないでしょうか?

というのが、
本記事を通した私からのご提案です。

あなたの健康的な生活の一助になれば何よりです。