記事内に広告が含まれています。

コンビニやスーパーのカット野菜は体に悪い?注意すべき点は?

その食品、安全性は?

何かと忙しい現代社会。

毎日、栄養バランスを考えながら、
自炊をするのって大変ですよね。

健康に長生きがしたいなら、
しっかりと野菜も食べたいところです。

そんな時に便利なのが、
スーパーやコンビニで売られている「カット野菜」です。

では、
そんな便利な「カット野菜」には、
何か落とし穴はないのでしょうか?

今回は、
「カット野菜は体に悪くないのか?」について、
取り上げたいと思います。

スポンサーリンク

加工されているが、カット野菜は体に悪くない!?

今回の結論は、
カット野菜は、加工されているが、基本的に体に悪くない
です。

カット野菜は、
工場で作られるまでの間には、
少々、加工がなされているようです。

「加工されている=体に悪い」という
イメージは、ありますよね。

少し工場を思わせるような「えぐみ」が、
ある気もするような、しないような・・・。

しかし、
「カット野菜自体が、体に悪いのでは?」
という心配はしなくてよさそうです。

それでは、ここからは、
・「カット野菜にはどんな加工がなされているのか」
・「その加工は体に悪くないのか」
という流れで、くわしく見ていきましょう。

カット野菜はどのように製造される?

まずは、
「カット野菜が、工場でどのように製造されているのか」について、
大まかにみておきましょう。

カット野菜の製造工程については、
2022年のカゴメ株式会社の特許を参考にします。
(参考:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2022-132393/11/ja

カット野菜は、下記の手順で製造されるようですね。

一般的なカット野菜の製造工程:
 「殺菌」 ⇒ 「千切り」 ⇒ 「水晒し」 ⇒ 「脱水」 ⇒ 「充填」

各工程について、
ふれておきましょう。

まず、
「殺菌」工程では、”殺菌剤”で、
野菜を殺菌します。

その後、
野菜の「千切り」をした後に、
「水晒し」工程で、”殺菌剤”が除去されます。

そして、
「脱水」工程が行われ、
最後に「充填」工程が行われます。

野菜を「充填」する時に、
一緒に窒素を入れるとよいことも記されています。

ここまでが、
カット野菜を製造する工程です。

やはり、各工程を見て、
まず、気になるのは、
「殺菌」工程でしょうか。

“殺菌剤”の安全性が、気になりますよね。

野菜の殺菌に使われる「次亜塩素酸ナトリウム」に心配は?

厚生労働省は、
「大量調理施設衛生管理マニュアル」を通じて、
業者さんたちの食品の加工について、
指針を示しています。
(参考:大量調理施設衛生管理マニュアル

このマニュアルによれば、
カット野菜は、
『次亜塩素酸ナトリウム』という薬剤を
使って、殺菌されるようですね。

では、
この『次亜塩素酸ナトリウム』について、
見ていきましょう。

次亜塩素酸ナトリウムは体に悪い?

さて、ここまでの話によれば、
カット野菜の殺菌には、
一般的に「次亜塩素酸ナトリウム」という薬剤が、
使われるようです。

では、
その『次亜塩素酸ナトリウム』が使われているから、
カット野菜は体に悪いのでしょうか?

確かに、
『次亜塩素酸ナトリウム』自体は、
とても毒性の強い薬剤なので、
「体には悪い」と言えます。

具体的には、
・皮ふに強い刺激を与える
・喘息を引き起こす
など、かなり危ない薬剤ではあるようです。
(参考:危険な次亜塩素酸ナトリウムと適切な消毒

キッチンハイター等にも含まれていますが、
手についてしまうと
ビリビリと痛みを感じますよね。

しかし、
野菜の洗浄の時に使う
『次亜塩素酸ナトリウム』は、
何百倍にも薄められています。

いくつかカット野菜の製造方法の特許を見てみましたが、
濃度にして、0.01%くらいまで、
薄められることが多いようです。
(参考:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1801/PU/JP-2020-188707/11/ja

そして、
使われた『次亜塩素酸ナトリウム』は、
「水晒らし」工程で、除去される運びになっています。

なので、
「危険はない」と言えるでしょう。

ちなみに、
『次亜塩素酸ナトリウム』は、
水道水の中にも、
わずかに含まれています。

ですので、
『次亜塩素酸ナトリウム』が
使われていることをもって、
「カット野菜は体に悪い」というならば、
水道水にも注意が必要だということになりますね。

過剰な心配をするのは
やめておいた方が
精神衛生的にも、いいかもしれません。

次亜塩素酸ナトリウム、どれだけ摂取してもいい?

少し難しい話になりますが、
念のため、
「『次亜塩素酸ナトリウム』は、どれだけ摂取しても大丈夫なのか?」
というところまで確認しておきましょう。

『次亜塩素酸ナトリウム』の一日に摂取してもいい量は、
「0.15mg/体重kg」と決められています。
(参考:欧州食品安全機関(EFSA)、次亜塩素酸ナトリウムの基本物質の認可申請に関する協議結果を公表

つまり、
体重60kgの方ならば、
1日に『次亜塩素酸ナトリウム』は、
9mgを摂取してしまっても大丈夫だということになります。

仮に、100gのカット野菜に、
0.01%の次亜塩素酸ナトリウムが
洗われずに、全て染みこんでしまっていたとしましょう。

そうすると、
カット野菜には、「10mg」の亜塩素酸ナトリウムが、
残ることになります。

この場合だと、体重60kgの人の許容量である
「9mg」を超えてしまいます。
(さすがに、そのような商品が出回ることはないでしょうが・・・。)

このことから、
安全なカット野菜を作る上では、
「水晒らし」工程でしっかりと、
次亜塩素酸ナトリウムを洗い流されなければならないのです。

ここで、
洗い流しが不十分だったことで、
製品中に次亜塩素酸ナトリウムが、
残ってしまうケースもあるようです。

万が一、
あなたが食べたカット野菜から、
消毒液のような味や臭いがするようであれば、
注意しましょう。

次亜塩素酸ナトリウムのせいで、カット野菜には栄養がないは本当?

では、次の疑問として、
次亜塩素酸ナトリウムで、カット野菜が洗われることで、
何か問題は起きないのでしょうか?

一つ問題が挙げられるとすれば、
「ビタミンCが破壊されること」でしょうか。

『次亜塩素酸ナトリウム』は、
「アルカリ性」の薬剤です。

そして、
ビタミンCは、
アルカリ性になると、
とても簡単に壊れてしまうのです。

ですので、
『次亜塩素酸ナトリウム』で洗われた
カット野菜には、
ビタミンCが、ほとんど残されていない状態だと言えるわけです。

しかし、
我々は、ビタミンCを採るためだけに
カット野菜を食べるわけではありませんよね。

例えば、
多くのカット野菜商品の主成分ともいえる「キャベツ」には、
ビタミンCの他にも、
「ミネラル」や「食物繊維」といった
様々な栄養素が含まれます。

つまり、
ビタミンCが抜けてしまったからと言って、
「カット野菜には栄養がない」
と心配する必要はないわけです。

そんなことまでを心配し始めたら、
「茹でた野菜や揚げた野菜には、もっと栄養がない」
と、さらに変な心配しなければならなくなってしまいます。


ちなみに、
セブンイレブンのHPによれば、
最近は、『次亜塩素酸ナトリウム』の代わりに、
『微酸性電解水』と呼ばれる液体で
野菜を洗うことも多いようです。
(参考:セブンイレブン>レタスが「シャキシャキ」の理由

「微酸性電解水」は、
「アルカリ性」ではなく、
文字通り「酸性」の液体です。

ですので、
野菜を洗う工程で、
ビタミンCが壊されることはありません。

しかし、
ビタミンCのもう一つ、デリケートな特徴があります。

「水に溶けやすいこと」です。

そのため、
水でしっかりと洗われてしまったカット野菜のビタミンCの大部分は、
水の中に溶けだしてしまっていると考えた方がよさそうです。

カット野菜から、ビタミンCを摂取しようとするのは、
得策ではないかもしれませんね。

水溶性のビタミンを摂りたいならば、
私のおすすめは、果汁100%ジュースです。
くわしくは↓の関連記事をどうぞ。

品質を安定にするための「pH調整剤」に心配は?

カット野菜のラベルの表示を見ていると、
『pH調整剤』と書かれているものもありますよね。

先ほどの項、取り上げた「カット野菜の製造工程」には、
そのような工程は記されていませんでしたが、
『pH調整剤』についても、チェックしておきましょう。

pH調整剤って、具体的には・・・?

『pH調整剤』・・・。
「具体名をバラしてはいけない理由でもあるのか!?」
と心配になりますよね。

食品のラベルには、
含まれている成分について、
「物質名」を記すのが原則です。

しかし、以下のような場合は、
例外として、『pH調整剤』のように、
「一括名」だけを記せばいいというルールもあるのです。
(参考:消費者庁>食品添加物表示

食品添加物の一括名表示:
 ・複数の添加物の組合せで効果を発揮することが多い食品添加物
 ・食品中にも通常存在する成分と同じ食品添加物 など

他にも、
『酸味料』や『香料』なども
同じように一括名表記が許されています。

後ろめたいことがあるから、
特定の物質の名前を隠しているわけではないということですね。

ただ、
使われている物の具体名がわからないというのは、
なんだか気持ち悪いですよね・・・。

ですので、
「pH調整剤」として、使われる全35種類を挙げておきます。

  • アジピン酸
  • クエン酸
  • クエン酸三ナトリウム
  • グルコノデルタラクトン
  • グルコン酸
  • グルコン酸カリウム
  • グルコン酸ナトリウム
  • コハク酸
  • コハク酸一ナトリウム
  • コハク酸二ナトリウム
  • 酢酸ナトリウム
  • DL-酒石酸
  • L-酒石酸
  • DL-酒石酸水素カリウム
  • L-酒石酸水素カリウム
  • DL-酒石酸ナトリウム
  • L-酒石酸ナトリウム
  • 炭酸カリウム(無水)
  • 炭酸水素ナトリウム
  • 炭酸ナトリウム
  • 二酸化炭素
  • 乳酸
  • 乳酸カリウム
  • 乳酸ナトリウム
  • 氷酢酸
  • ピロリン酸二水素二ナトリウム
  • フマル酸
  • フマル酸一ナトリウム
  • DL-リンゴ酸
  • DL-リンゴ酸ナトリウム
  • リン酸
  • リン酸水素二カリウム
  • リン酸二水素カリウム
  • リン酸水素二ナトリウム
  • リン酸二水素ナトリウム

やはり、気になる方は、
『pH調整剤』の入っていない商品を
選ぶのがよいのではないかと思います。
実は、私は少し気になる派です(笑)

pH調整剤は、体に悪くないのか?

では、
「『pH調整剤』は、体に悪くはないのか?」
について確認しておきましょう。

残念ながら、「一括名表示」のせいで
カット野菜のそれぞれの商品に
どのようなpH調整剤が使われているのかは、
わかりません。

ですので、
それぞれの「pH調整剤」について、
大まかに取り上げていきます。

クエン酸やリンゴ酸、乳酸などは、
もともと食品に含まれている部類のpH調整剤です。

コハク酸などやその他の酸も、
強い毒性を持つ物はありません。

グルコン酸ナトリウムや酢酸ナトリウムのように
ナトリウムが結合した酸もありますが、
これらも毒性は強くないとされています。

一点、注意することがあるとすれば、
リン酸やリン酸水素二カリウムのような、
リン酸を含む物についてです。

リン酸を取り過ぎると、
カルシウムの吸収が邪魔されて、
骨がもろくなってしまう心配があるのです。

そんな「pH調整剤」もありますので、
気になる方は、メーカーに
問い合わせてみるのもありかもしれませんね。

後ろめたいことがなければ、
きっと教えてもらえるはずです。

着色料の心配はなさそう!?

カット野菜には、
「おいしく見えるようにこっそり『着色料』が使われているのでは!?」
と思っている方もいるかもしれませんね。

どうやら、その心配はなさそうです。

「東京都保険福祉局のトピック」を引用します。
(参考:食品衛生の窓口>着色料

「鮮魚介類や食肉、野菜類に着色料を使用することは禁じられています。
 これら生鮮食品等に着色料を使用することは、
 その品質、鮮度等に関して消費者の判断を誤らせるおそれがあり、
 添加物本来の目的に反するからです。」

食品衛生の窓口より

つまり、
ルールが守られている限り、
カット野菜に着色料が、
使われることはないということですね。

結局、カット野菜は体に悪いの?

今回は、
「カット野菜は体に悪いのか?」について、
見てきました。

カット野菜の
大まかな製造の工程も見てみましたが、
思ったより、加工されている感は
少なかったかもしれませんね。

しかし、やはり少し気になるのは、
「殺菌」工程でしょうか。

とりあえず、
カット野菜の『次亜塩素酸ナトリウム』に
大きな危険はなさそうです。

ただし、
化学的に形が似ている
『亜塩素酸ナトリウム』には、
ラットの実験で「内分泌かく乱性」が
心配されている一面もあります。
(参考:Sodium chlorite administration in long-evans rats: Reproductive and endocrine effects

個人的に、
この報告は、少し気になっています。

「内分泌かく乱性」については、
↓の関連記事にまとめています。
妊婦さんやお子さんは特に気を付けましょう!

個人的に、小さな懸念は残るものの、
ひとまず、
現代の疫学の常識に当てはめれば、
「カット野菜は体に悪くない」
と考えて差し支えは、なさそうです。

残留農薬との兼ね合いなどもあるかと思いますが、
野菜は、食べないよりは、
食べた方がいいのは、
間違いないようです。

「自炊が大変だ!」
という方も多いと思います。

忙しい時は、
カット野菜に逃げてしまっても
いいのではないでしょうか?

というのが、
本記事を通した私からのご提案です。

あなたの健康的な生活の一助になれば何よりです。