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実はペットボトルの使いまわしがヤバい理由。温めるのもダメ!?

その食品、大丈夫?

ペットボトルはとても便利です。

中には、ペットボトルを水筒の代わりに
使っている人もいるかと思います。

私も、昔は、
水やお茶をペットボトルに入れて、
冷蔵庫で保管したりしていました。

しかし、これ、
実は、危険もあるのです。

今回は、
ペットボトルを使いまわすとヤバい理由」を見ていきましょう。

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ペットボトルは使い回さない方がいい!?

今回の結論は、
ペットボトルは使い回さない方がいい」です。

そして、
ペットボトルは、電子レンジなどで温めるのもよくありません」です。

ペットボトルの耐熱温度は、
50から80℃程度と言われています。

思いのほか、低いと感じませんでしたか?

ペットボトルに入った飲み物を電子レンジで温めれば、
この程度の温度には、簡単に到達してしまいます。

耐熱温度の面から見ても、
ペットボトルを温めて使うのは良くないのです。

それでは、
なぜ使い回さない方がいいのか?
どんな危険があるのか?

その問いについて、
くわしく見ていきましょう。

ペットボトルを使い回さない方がいい理由

では、
ペットボトルを使い回さない方がいい理由
について見ていきましょう。

ペットボトルを使い回しては
いけない理由は、2つです。

衛生面の問題
有害物質の問題

衛生面の問題」には、
以下の動画のように、各飲料メーカーが公式に言及していますね。

メーカーが注意喚起をしている程なので、
「衛生面の問題」については、
今さら、取り上げるまでもないかと思います。

ですので、
今回は、中心に取り上げるのは、
有害物質の問題」です。

では、一見、無害そうなペットボトルからは、
どんな「有害物質」が溶け出すのでしょうか。

ペットボトルから溶け出す有害物質とは!?

では、
ペットボトルからはどんな有害物質が溶け出すのか
について、見ていきましょう。

まずは、
ペットボトルが何からできているのか」という点から
見ていきましょう。

ペットボトルは、
ポリエチレンテレフタレート」という
プラスチックからできています。

「PolyEthleneTerephthalateのボトル」を略して、
PET(ペット)ボトルです。 


そして、
ポリエチレンテレフタレート」は、
テレフタル酸」と「エチレングリコール」という
2つの化学物質を交互に化学結合させ続けることによって、
作られます。

ここで、
使われる「テレフタル酸」という化学物質が、
有害な化学物質を”生み出す”元凶なのです

あなたは、
フタル酸エステル」という名前の有害物質の名を
聞いたことはありませんでしょうか?

フタル酸エステル」は、
日本を含め、各国で規制が進んでいる有害物質です。

フタル酸エステル」と「テレフタル酸」は、
なんだか名前が似ていると思いませんか?

化学の世界において、名前が似ているということは、
化学構造も似ていることを意味します。

実は、「ペットボトル」からは、
テレフタル酸」が少し形を変えた「フタル酸エステル」が、
溶け出してしまうのです。

これが、
本当であれば、
なぜ、ペットボトル飲料が普通に流通しているのか
不思議になってきますね・・・。

おそらく、
ペットボトルが便利すぎるため、
安い素材で、代わりに使えるものが簡単に見つからないため、
ペットボトルが使い続けられているのでしょう。

ペットボトルからフタル酸エステルが溶け出す証拠は!?

しかし、
突然、ペットボトルから、
有害物質である「フタル酸エステル」が溶け出すなどという話をしても、
納得できませんよね。

それでは、エビデンスということで、
過去の研究について見ておきましょう。

2009年にアメリカの心理学者であり、医師でもある
レナード・サックス先生が報告した総説論文を参考にします。
(参考:Polyethylene Terephthalate May Yield Endocrine Disruptors

この報告によれば、
過去には、「ペットボトルからフタル酸エステルが溶け出すこと」について、
かなりの数の研究報告がなされています。

欧米での化学物質への関心の強さがうかがえます。

総説論文の中の代表的な研究報告を参考にしてみましょう。

ペットボトルの中の水を常温で、
10週間、保存したところ、
「フタル酸エステル」が検出されたことが記されています。

同時にガラス入りの水も比較対象にされていますが、
こちらからは、「フタル酸エステル」は、
検出されなかったことも確認されています。

常温で、2か月半保存しただけで、
ペットボトルからは、有害物質が溶け出すということですね。

飲料メーカーのブランドによっても、
差があるようですが、
ミネラルウォーターよりも炭酸飲料の方が、
「フタル酸エステル」が溶け出しやすいという
データも見て取れます。

どうやら、
ペットボトルの炭酸飲料は、
特に早めに飲んだ方がよさそうですね。

保存状態にも影響を受ける可能性があるとの
考察もあるようですので、
ペットボトル飲料をやむを得ず保管する場合は、
しっかりと冷蔵庫で保管しましょう。

とりあえず、
ペットボトルからは、
「フタル酸エステル」が溶け出すという証拠は
かなりそろっているようです。

疑う余地はなさそうですので、
ここからは、
「フタル酸エステル」がどのように
体に悪いのか、を見ていくことにしましょう。

フタル酸エステルは体にどのような影響を与えるのか?

さて、では、一番気になる
溶け出したフタル酸エステルが、我々の体にどんな影響を与えるのか?
という点に迫っていきましょう。

フタル酸エステルは内分泌かく乱物質!?

フタル酸エステル」は、
確かに有害物質です。

そして、各国では、
フタル酸エステル」は
どんどん規制が進んでいる物質でもあります。

しかし、
少し古めのペットボトル入りのコーラを飲んだからと言って、
誰かが体調で崩したなどという話は、
聞いたことがありませんよね。

それは、
ペットボトルにおける”有害性”とは、
わかりやすい毒性の話ではないからです。

今回の「フタル酸エステルにおけるの”危険”」については、
内分泌かく乱性」の観点からの話になります。

内分泌かく乱性」は、
初めて聞く言葉かもしれませんね。

経済産業省によれば、
内分泌かく乱性」とは、以下のように定義されています。
(参考:経済産業省 内分泌かく乱物質問題

生物個体の内分泌系に変化を起こさせ、その個体又はその子孫に健康障害を誘発する外因性物質

経済産業省 内分泌かく乱物質問題より

つまり、
簡単な言葉で言い換えれば、
外から来る物質が、体の中のホルモンの働きを変えて、
 その人やその子孫に問題を引き起こすことがある

ということです。

ホルモンは、
体の中のいろいろな働きに影響を与えるものですので、
考え方によっては、
「”内分泌かく乱物質”はとても危険である」と言えるのです。

では、実際のところ、
フタル酸エステルが、我々の体にどのような影響を与えるのか
という話に入っていきましょう。

フタル酸エステルは、女性ホルモンのように働く!?

では、まずは、先ほどの
アメリカの医師であるレナード・サックス氏が
2009年にまとめられた総説論文を参考にしましょう。
(参考:Polyethylene Terephthalate May Yield Endocrine Disruptors

ペットボトル入りのミネラルウォーターが、
エストロゲン活性」を示したことが報告されています。

エストロゲン活性を示す」とは、
「内分泌かく乱物質」が、
体内で女性ホルモンのような働きをすることを意味します。

これにより、
私たちの体内でホルモンの働きに、
混乱が生じさせられることにつながります。

他に取り上げられているミズーリ大学の研究では、
ペットボトル入りの水で培養された乳がん細胞は、
比較対象の水よりも78%も多くがん細胞を増殖させたそうです。

ペットボトルの使いまわしはヤバい!?

今回は、
「ペットボトルを使い回してはいけない理由」
を取り上げました。

常温で、有害物質が溶け出すということは、
温めれば、さらに有害物質が溶け出す可能性が高まります。

そのため、
「使い回し」だけでなく、
ペットボトルを温めて使うのも
可能な限りやめたほうがいいでしょう。

世の中にあるものは、
みんなが使っているからと言って、
必ずしも安全であるわけではないのです。

しっかりと自分の身は自分で、
守っていかなければなりませんね。