記事内に広告が含まれています。

無計画な「女性比率UP」で、会社が壊れていく理由

仕事がつらいあなたへ

あなたの会社では、
「女性比率UP」が
目標になっていませんか?

「ダイバーシティ」すなわち「多様性」を大切にするのは、
何よりも重要なことだと、
私は思っています。

しかし、
この「女性比率UP」は、
やり方を間違えると、
とんでもない結末を招くと
私は思っています。

最悪の場合、会社の寿命を
大きく縮めることにつながるでしょう。

というわけで、
今回のテーマは、
「無計画な『女性比率UP』で、会社が壊れていく理由」
です。

スポンサーリンク

無計画な「女性比率UP」で、多様性は失われる?

さて、今回のキーワードは、

『会社の無計画な「女性比率UP」で、逆に多様性が失われる』

です。

世の中には、
まだまだ女性が多く活躍されていない会社も
多いのではないでしょうか?

そうであるならば、
会社に女性が増えれば、
多様性は高まるはずですよね。

しかし、
私は、そうは思わないのです。

もし、会社が、
女性比率という「数字」だけを追い、
無計画に女性比率UPを進めた場合、
会社の多様性は、
高まるどころか、
逆に失われていくと、私は思うのです。


いやいや、そんなことはない!
と思われる方もいるかもしれませんね。

それでは、くわしく見ていきましょう。

無計画な「女性比率UP」は、深刻な分断を生む!?

さて、では、さっそく、
「なぜ、無計画な女性比率UPで、逆に多様性は失われると言えるのか」
について見ていきましょう。

それは、
無計画な女性比率UPは、
「組織内に分断を生むから」
です。

しっかりとした受け入れ準備を整えずに、
無計画に会社の女性比率だけを増やした場合、
どのようなことが起こるでしょうか?

社内には、
なんだかんだと言いながらも、
まだまだ女性には、むずかしい仕事もありますよね。

わかりやすく
工場での仕事を例に考えてみましょう。

例えば・・・

あなたの会社には、
2人1組で、作業を行うルールがあります。

あなたは「男性」で、
相方は、「女性」だとしましょう。

さぁ、工場で作った製品を入れるための
20本のドラム缶を用意します!

ドラム缶は、どうやら、
約24Kgあるようです。

と、ここで、問題が発生します。

そこそこマッチョなあなたは、
どうにか、ドラム缶を運ぶことができるでしょう。

しかし、
体重55Kgの女性に
ドラム缶を運ぶことはできません。

いやいや、気合があれば行けるだろう!
ではないのです。

女性労働基準規則で、
女性には、継続作業では、20Kgまでの重量物までしか
運搬をさせてはいけないと定められているのです。

というわけで、
目の前にある20本のドラム缶を運ぶのは、
あなた一人の仕事だということになります。

どう思いますか?

あなたがそこそこマッチョな男性で、
若い女性にかっこいいところを見せたいと思ったとしても、
20本のドラム缶を一人で運ぶのは、
少々骨が折れるのではないでしょうか。

物理的にも疲労骨折のリスクが付きまといます。
そして、会社は労働災害をとても嫌います。

更には、
すべての作業をあなたに任せている女性従業員も
さぞ居心地が悪いことでしょう。

それなら、
工場の製造工程には、男性社員を配置した方がよい、
という結論になりますよね。


というわけで、
基本的に、メーカーの製造工程において、
女性従業員を工場作業に、
従事させることは、ありません。

では、
工場での3K作業に従事しない女性は、
社内でどんな仕事に従事することになるでしょうか。

この辺りは、各会社の考え方によりますが、
たいていの場合には、
女性は、品質関連や研究開発の部門に
配置されることになるのではないでしょうか。

いわゆる知能労働や技能労働です。

会社の偉い人達に言わせれば、
女性には、知識や技能を習得してもらう一方で、
男は、汚い場所で力仕事でもしておけ!
というわけですね。

力仕事が不得意で、
知的労働が得意な男性もいるはずなのに、です。

これだけでも、
少しムカつく話ですよね。

そして、
実は、この状態は、会社全体にとっても良くありません。

仮に、
工場作業に従事させられないからという理由だけで、
知能労働である研究開発部門に
女性従業員ばかりを配置した場合、
どんなことが起きるでしょうか。

答えは、
「多様性が失われる」
ですね。

会社の「女性比率UP」という方策により、
女性をたくさん雇用すれば、
社内には、女性が増え、
一見、多様性は高まったようにも見えるでしょう。

しかし、
その実、やっていることは、
社内で、男性と女性を分断させたに過ぎないのです。

社内で、
女性ばかりの部門と
男性ばかりの部門が増え、
男女間の分断が進むだけだということですね。

部門内が、同じ属性の人ばかりになったということは、
それは、すなわち「多様性が失われた」ということです。

そして、
多様性が失われた研究開発部門では、
似たような発想ばかりで満たされ、
イノベーションは、起こりません。

会社のイノベーションの源泉である研究開発部門から
イノベーションが起きないということは、
会社そのものにイノベーションが起きないということです。

イノベーションが起きない会社は、
新しい製品が生みだすこともできなくなり、
既存の製品も少しずつ売れなくなった結果、
徐々に先細りの状態となります。

つまり、
少しずつ壊れていくわけですね。

これが、
無計画に「女性比率UP」だけを求めた会社の末路です。

そんな、頭の悪い会社ある!?
と思われますよね。

しかし、
残念ながら、
会社の偉い人は、
「真の多様性」というものが理解できず、
従業員を駒としてしか見ていないので、
こういったことは、不思議なことではありません。

女性比率をUPするならば、しっかり対策を!

さて、
そういうわけで、
会社が、世論に迎合し、いい恰好をしたいがためだけに、
無計画な「女性比率UP」を進めると、
会社が壊れてしまうという話でした。

会社の偉い人は、
なんだかんだで、
わかりやすい女性比率という「数字」にしか
興味がありません。

偉い人には、
不確定な会社の将来や、従業員の本当の苦しみになど
基本的に関心がないのです。

会社で偉くなれるような図太い人に、
繊細な感性があろうはずもないので、
それは、仕方のないことなのです。


私は、
「真の多様性」とは、
「誰もがあえて主張をしなくても、苦痛や苦悩なく、生活が送れること」
だと思っています。

今回、例として挙げた
女性に任せられないような工場での作業は、
男性にとっては、
何の苦痛もなく、遂行できるのでしょうか。

そんなことはありませんよね。

男性社員にとっても、
重いモノは重いはずです。


会社の「女性比率UP」を進めるのならば、
工場の作業であっても、
女性が、何かを「あえて主張しなくても」遂行できるよう、
先に対策をしておくべきです。

女性が、
何かを「あえて主張しなくても」遂行できる職務であれば、
男性にとっても、
その職場は、とても働きやすいはずです。

会社の偉い人達には、
「数字」だけを追い求めるのではなく、
もう少し物事の「本質」にも目を向けてほしいですね。